国民投票後の英国が排外主義の問題に直面していることが、次々と現れる証拠からあからさまになってきています。

A man and a woman walk past a Polish shop in Boston, Britain June 27, 2016.

© 2016 Reuters

新たな調査で、英国に暮らすポーランド人の12%が、国民投票後に敵意ある扱いをうけたことがわかりました。メディアも連日、外見が外国人っぽいという理由で言葉の暴力や、それより深刻な嫌がらせを受けた人びとについて報じています。先週の金曜日までに警察のウェブサイトに記録されたヘイトクライムの事件数は、その前の週の5倍にものぼりました。学校長組合のトップは、欧州出身の子どもたちが英国を去らなければならなくなることを心配している、と警告しています。

デービッド・キャメロン首相は当然のことながら、ヘイトクライムの波を「卑劣だ」と非難し、根絶すべきと述べています。こうした発言は明確に繰り返されるべきで、同時に、効果的な警察の行動や刑事司法制度による対応が求められます。

しかし、犯罪に対応しているだけでは十分ではありません。英政府は、外国籍とみられた人びとへの「本国へ帰れ」というののしりに表される、排外主義の噴出に対抗する必要があります。ほかのEU諸国との交渉にまつわる問題であるとの理由で、キャメロン政権はEU市民の今後の英国滞在保障を拒否しました。高まりつつある外国人排斥の風潮を考えると、現在すでに英国に暮らすEU市民の滞在を保障しないという政府の行動は、とても無責任です。

このような政府の態度は、欧州諸国からの移民はもはや歓迎されないというメッセージを補強することにつながります。また、これまでのEU諸国出身者による英国への多くの貢献が、今後の貿易協定における「人質」または「交渉の切り札」より価値のないものとみられてしまいます。不確かな要素が増えるという点では、他のEU諸国に住む何百万人もの英国国民にとっても同じです。

英国ですでに暮らすEU市民が国内に残れるよう、支援の輪も広がりつつあります。家族がともに暮らす権利といった基本的権利を尊重することは、他のEU諸国に暮らす英国国民も含む多くのEU市民が、現在の国で暮らし続けられることを意味します。こうした人びとを何カ月、あるいは何年も不確かな状態に置くのは非常に不公平であり、かつ外国人排斥の動きを悪化させてしまいます。

そんな今こそ、英国に暮らすEU市民にとり英国は今日も、そしてこれからも「母国」であり、「本国へ帰れ」と叫ぶ人たちは間違っているという見解を、政府はしっかり示す必要があります。そして、保守党党首(ひいては首相)の座を目指す全候補者が、これにコミットせねばなりません。

私たちの隣人、子どもの同級生、医師看護師、建設現場の作業員、学者、そしてバスの運転手。。。私たちの家族や友人すべてが、英国で暮らし続けることができること。これは最低限保障されるべきことなのです。