<三本柱>

  • 児童福祉法の一部改正
  • 養子縁組推進法(仮称)の制定
  • 里親委託ガイドライン(厚生労働省)の一部改正

児童福祉法の一部改正 (以下の添付資料「児童福祉法の一部を改正する法律案の概要」参考)

社会的養護下の児童の権利擁護を日本全国でより確実に擁護するため、児童福祉の理念を見直して平成6年に批准した児童の権利に関する条約の理念にのっとることを明記するほか、政府及び都道府県等による社会的養護に関する基本計画の作成、要保護児童に関する司法関与の見直し、措置先としての里親支援機関の追加等行うものとすること。

養子縁組推進法(仮称)の制定

子どもの福祉のための特別養子縁組制度は、昭和63(1988)年1月1日に施行され、まもなく誕生から満30年を迎えることになるが、制度利用は低調に留まり、様々な問題を抱えているので、①養子縁組を国家が取組む重要な児童福祉政策として位置づけ、②父母の同意免除の幅を広げ(定期的面会交流がないまま監護しない期間が相当経過するなど再統合の相当の見込みがない場合など)、③行政や民間が行う養子縁組に関する具体的手続きを定めるなどした、子どもの福祉のための養子縁組に関する包括的な新法を制定すること。

里親委託ガイドラインの一部改正

厚生労働省は、平成23年に里親委託ガイドラインを定め、里親委託の推進に取組んできたところであるが、依然として里親委託には様々な課題があり活用は限定的であるほか、児童を家族に再統合するための活動や、それが失敗した場合に永続的解決策である養子縁組を促進することも重要な課題であるので、児童相談所が里親委託を含む各種措置の中から児童の最善の利益にのっとった措置を確実に採れるよう、保護者が里親委託に反対している場合の司法手続き利用などの里親委託の一層の推進に向けた具体的手続きに改めるとともに、名称を里親委託ガイドラインから「社会的養護措置ガイドライン」(仮称)等と改め、家族再統合への取り組みとともに、養子縁組、里親委託、施設措置の選択に関する社会的養護全体を視野においた具体的な手続きを定めるものとすること。

(添付資料)  

児童福祉法の一部を改正する法律案の概要

児童福祉の理念の見直し(第1条関係)

日本は、平成6年に児童の権利に関する条約を批准し、国際的条約の実施に向けた国内体制整備に取り組んできたところであるが、依然として国際連合児童の権利委員会から条約の履行が不十分である旨の勧告を繰り返し受ける等国際的に批判を受けている状況にあるので、かかる状況を速やかに改めるため、この法律の基本理念に、児童の権利に関する条約の理念にのっとることを明記すること。

社会的養護に関する基本計画

○ 政府による社会的養護に関する基本計画の作成(第1章第3節関係)

1.厚生労働大臣は、社会的養護の実現を、この法律の基本理念に従って図るため、社会的養護に関する基本的な計画(以下「社会的養護基本計画」という)を作成し、閣議の決定を求めなければならないこと。

2.厚生労働大臣は、社会的養護基本計画には、この法律の基本理念に従った里親委託ガイドラインの改正に関する事項その他の家庭養護を原則とするための諸施策を含めるとともに、それらの各施策の具体的な目標、その達成の時期及び評価方法並びに社会的養護基本計画の見直しにかかる事項についても定めるものとすること。

○ 都道府県等による社会的養護に関する基本計画の作成(第11条、第12条関係)

1.都道府県及び指定都市等の長はそれぞれ、社会的養護基本計画に即して、各都道府県及び指定都市等の現況に応じた社会的養護に関する計画(以下「都道府県等社会的養護基本計画」という)を策定しなければならないこと。

2.都道府県等社会的養護基本計画には、この法律の基本理念に従い、児童相談所の運営に関する事項その他の社会的養護基本計画の実現のために必要な諸施策を含めるとともに、それらの各施策の具体的な目標、その達成の時期及び評価方法ならびに社会的養護基本計画の見直しにかかる事項についても定めるものとすること。

要保護児童に関する司法関与の見直し

○ 社会的養護の措置(27条、28条関係)

これまで社会的養護の措置を行うにつき家庭裁判所の承認が必要となるのは、保護者が児童を虐待等により保護者に監護させることが著しく児童の福祉を害する場合で、かつ、社会的養護の措置を採ることが親権者等の意思に反するときに限定されていたのを改め、社会的養護の措置を行う場合及び行われた措置を解除し、停止し又は他の措置に変更する場合には、全て家庭裁判所の承認を要するものとすること。

○ 一時保護(33条関係)

これまで引き続き一時保護を行おうとするとき及びその後二月を経過するごとに、都道府県児童福祉審議会の意見聴取が求められていたのを改め、当初の期間を超えて一時保護を継続するには、親権者等の同意がない限り家庭裁判所の承認を要するものとすること。

措置先としての里親支援機関の追加 (27条関係)

里親支援機関は「厚生労働省令で定める者」(11条第4項)として「里親につき、その相談に応じ、必要な情報の提供、助言、研修その他の援助を行う」(11条第2項ヘ)と位置づけられ児童の措置先(27条)とはされていないが、里親委託が依然低調である原因として里親委託には施設入所よりも児童相談所の手間と時間がかかることや専門性が必要であることなどが指摘されていること等に鑑み、里親支援機関を措置先に追加して里親支援機関を通じた里親委託を可能にすることにより、児童相談所の業務量を必要以上に増加させることなく適切な里親委託を可能にするものとすること。