A latrine used by approximately 800 students at a high school in Haiti’s Central Plateau.

© 2014 Human Rights Watch

(ワシントンDC)-世界銀行、国際援助国・機関、そしてハイチ政府は、10月9日に行われる対ハイチ支援国会合で、学校における水道・衛生問題を重点的に含めるべきだ、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは世界銀行副総裁に宛てた書簡中で述べた。ワシントンDCで開催される会合は、ハイチにおける安全な水と保健衛生の改善をめぐり、更なる財政支援を集めることを目的としている。

コレラのような水を媒介とする疾患との闘いを援助国・機関が議論するなか、学校での安全かつ清潔なトイレと飲料・手洗い用水の確保は、対応すべき主要分野といえる。ヒューマン・ライツ・ウォッチはハイチの学校状況を調査。60%近い学校にトイレ設備が整っておらず、4分の3以上が水を利用できない状態にあることが明らかになっている。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ女性の権利局調査員のアマンダ・クラシングは、「ハイチの子どもの大半はこうした不十分な環境の学校へ通い、罹患の危険と隣り合わせの状態だ」と指摘する。「もしこの会合で、援助国・機関が真摯にハイチの保健衛生改善に取り組むつもりならば、病にかかることなく通学できる権利を子どもに保障すべく行動せねばならない。」

水・衛生への権利と教育への権利は明らかに関係している。家庭や学校において水道や衛生が不十分であれば、水媒介疾患や下痢に対するリスクが高まり、子どもが学校にいられる時間も短くなる。ほかでもない学校が病気感染の温床となっているのだ。2012年にハイチ政府が実施した人口統計と保健に関する調査で、5歳~19歳までの学齢期にある子どもがほかの年齢層に比べ、もっともコレラに罹患していることが分かった。5歳~14歳は、コレラが原因の死亡率で2番目に高い年齢層となっている。

今年9月にヒューマン・ライツ・ウォッチは、ハイチ中央高原にある複数の学校を訪問し、教育施設における水と衛生の状態を調査した。対象には国際支援により近時に建設された学校も含まれるが、適切な水道・衛生設備を欠いていた。政府の学校向け衛生ガイドラインを満たしていた学校も皆無だった。教師や生徒、政府関係者も事態は深刻で、教育にも悪影響が出ていると報告している。予防可能な下痢からの回復のため、1週間以上も自宅待機を余儀なくされる生徒もいると、一部はいう。

水媒体疾患のリスク減少や、予防可能な子どもの死の根絶を目指す対ハイチ支援を議論するにあたり、学校の水道・衛生問題改善に重点を置くことが必要不可欠である。世界銀行は、安全な水および衛生への権利促進を、子どものために主導すべきだろう。具体的には次にあげる公約が含まれるべきだ:

  • 学校の水や衛生をめぐる国家計画の策定・採択・実施を支援する
  • 学校の再建・建設に際して求められる衛生施設工事の基本的な必要条件を満たすため、教育・プロフェッショナル開発省およびハイチ政府の水道インフラ・ガイドラインに従う
  • 水道・衛生計画を教育に関する既存投資に融合させ、評価の枠組みに水道・衛生指標を含むよう修正したうえで、ほかの支援国・機関もこれに続くよう働きかける
  • 学校が水道・衛生インフラ計画に含まれ、またコレラ撲滅計画の一環として資金提供を受けるよう保障する

前出のクラシング調査員は、「ハイチにおける水道・衛生問題に対処するには、学校での高い感染リスクを子どもたちに負わせないことを保障する、確固とした公約が求められる」と述べる。「これには当然、子どもが学校で安全な水とトイレを確実に利用できることも含まれる。」