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ビルマ:安倍首相のビルマ訪問 人権問題を焦点に

開発援助と投資 人権侵害を促進しないよう留意を

 

(東京)- 安倍晋三内閣総理大臣は、今週のビルマ訪問を、同国の人権状況改善の機会とすべきである、とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。安倍首相の訪緬は2013年5月24日から3日間の予定で、日本の首相としては36年ぶりとなる。日本企業数十社も同行する予定。

ビルマでは大きな変化が起きているが、主要な人権問題の改善に取り組むとしたビルマ政府首脳の公約は果たされていない。この公約には、民族紛争地域への人道援助団体の完全なアクセスの許可、残る政治囚全員の釈放、人権侵害的な法律の改正、国連人権高等弁務官事務所のオフィス開設などがある。

日本はビルマの最大のドナー国、そして主要投資国として、人権状況の改善と人権保護の充実を同国に一層強くはたらきかける上で、きわめて重要な役割を果たすことができる」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長ブラッド・アダムスは指摘する。「ビルマへの援助と投資に際しては、法の支配、透明性、アカウンタビリティの分野での改革の必要性を無視すべきではない。」

日本は、対ビルマ援助で最大のドナー国であり、昨年度は有償資金協力を約3,800億円(債務救済措置含む)、農業・保健・災害対策事業などへの無償資金協力を約272億円に拡大した。安倍首相は訪問中に510億円の円借款の実施や、郵便制度の抜本改革への支援などを表明する予定だ。日本政府は1991年の「ODA4指針」と1992年の「ODA大綱」に基づき、援助の決定に際して、民主化、基本的人権及び自由の保障に十分注意を払うと公約している。

日本政府は、投資・開発事業によって土地の強制収用や強制移住が発生することがないよう確保するべきである。例えば、海外の通信企業は、十分な人権保護策が実施されないうちにビルマ市場に参入することで、人権侵害に加担するリスクを負っている。ビルマ政府は、通信セクターに関して、表現の自由やプライバシー権などの基本的人権を尊重する法的枠組を整えていない。ビルマ政府が6月に認可する予定の2つの全国免許について、日本からは2つのコンソーシアムが入札に参加する見込みとなっている。

「日本には、ビルマ政府が正しい方向へと進み、市民参加を核とする人権尊重型の開発を追求することを促す上で大きな力がある」と前出のアダムスは述べる。「日本の首脳は、援助事業の実施を、それに関わる人権のレトリックと確実に適合させるべきだ。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは日本政府に対し、日本企業が責任と透明性に基づく投資を行い、人権侵害への加担を行わないようにすることを求めた。日本企業には、人権を尊重した上で、あらゆる権利侵害を予防し、それを対処する具体的な対策(=人権デュー・ディリジエンス)をとる義務がある。日本政府はまた、2013年5月23日に決定された米国の投資要件に沿って、対ビルマ投資についての公的な報告というマンデートを果たすべきである。

「日本は、経済的・政治的移行期にあるビルマについて、人権問題への配慮に特に注力するべきだ」とアダムスは述べた。「ビルマの開発事業は、これまで強制労働、土地の強制収用、基本的権利の否定などの人権侵害と同義であることが多かった。日本は自国の影響力を用いて、こうした人権侵害が終ることを確実にしなければならない。」

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