Teodoro Obiang Nguema Mbasogo, President of Equatorial Guinea, at the UN General Assembly in New York on September 21, 2011.

© 2011 UN Photo

(パリ)-ユネスコ執行理事会は、次回の会合で赤道ギニアのテオドロ・オビアン・ンゲマ・ンバゾゴ大統領が出資し同大統領の名を冠した賞を廃止するべきである、とNGO7団体が本日述べた。執行理事会は、2012年2月27日から3月10日にパリで予定されている会合で、同賞の命運に関して最終判断を下す見込みだ。

ユネスコはオビアン大統領に対する世界的な抗議に直面し、同賞に関する行動を再三延期してきた。オビアン大統領は赤道ギニアにおける政府高官の汚職、弾圧および貧困が蔓延するこの国を取り仕切ってきた人物である。2011年9月、ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長は、ユネスコに対する“寛容さの証”として、同賞を撤回するようオビアン大統領に求めた。しかし、赤道ギニア政府は11月、2008年に創設された生命科学研究賞に、“オビアン大統領の名を冠さない”という“譲歩をする”意思があると公表した。これに対しNGO7団体は、「ユネスコはそのような提案を断固として拒否するべきだ」、と述べた。

これまでも同賞を繰り返し批判してきたノーベル賞受賞者デズモンド・ツツ大主教は「ユネスコ-オビアン賞は、オビアン大統領政府による弾圧および高官汚職と結び付いており、取り返しがつかないほど汚れている。賞に異なる名称を付することは、これらの懸念に応えることにも、同賞に出資する資金の出所に関する疑惑を払しょくすることにもならない」と語る。

ユネスコ-オビアン賞に反対するために参集したNGO団体と著名人は、「同賞に反対する世界的な運動は、同賞の名称だけを問題にしているのではない」と強調している。例えば、カノ世界報道自由賞の受賞者たちが「オビアン大統領による圧政は、表現の自由を推し進めるユネスコの活動と相反している」と述べ、ユネスコ-オビアン賞に反対を表明した。赤道ギニア政府は、国営メディアのジャーナリストに対してオビアン大統領への批判に関する報道を認めていないため、多くの赤道ギニア国民はこの賞に関する批判的ニュースに接することができていない。

フランス、スペインおよび米国でオビアン大統領やその家族あるいは側近に対する汚職捜査が継続中であり、この事実も、赤道ギニア政府高官の汚職についての懸念を浮き彫りにしている。フランス政府当局は9月、オビアン大統領の長男テオドロ・ンゲマ・オビアン(“テオドリン”)の所有する、500万米ドル以上相当の最高級自動車11台を、息子がフランス滞在中に居住するパリの高級住宅地にある邸宅から押収した。押収はユネスコ本部のすぐ近くで行われ、そのユネスコ本部で後日ユネスコは、この問題の賞を停止するとした以前の決定をあらためて表明した。

フランス政府当局は2月14日、横領疑惑に対する捜査の一環として、パリにあるオビアン宅に対し2度目となる家宅捜査を開始した。報道によると2月23日に終了した家宅捜査の間に、警察は少なくともトラック2台分のテオドリンが購入した骨董品と美術品を押収した。報道によると、それらの物品は少なくとも4,000万ユーロの価値があると考えられている。

米国司法省は10月、テオドリンが「恐喝および/または、不正流用、窃盗または公的資金横領」で得た金で購入したと主張して、テオドリンが所有する米国内の資産7,000万ドル以上を押収しようと動いた。

フランス米国のテオドリンの弁護士は、依頼者たるテオドリンにかけられた疑惑を否定している。

ユネスコがオビアン賞の停止継続に合意したわずか数日後の10月13日、オビアン大統領はテオドリンを赤道ギニアのユネスコ代表部顧問に指名した。この動きは、テオドリンにフランスに於ける外交特権を与える措置であると広く見られている。

人権NGO「赤道ギニアに公正を」を率いる、亡命赤道ギニア人ツツ・アリカンテは「オビアン大統領は、自身のイメージ改善のため、そして息子を法律問題から守るため、ユネスコを悪用しようとしている。ユネスコはオビアン賞を廃止し、ユネスコの名は売り物ではないという強いメッセージを送るべきである」と語る。

数百人の個人と数十の団体(アフリカ各国出身も多い)が、議論を呼んでいるこの賞に反対し、同賞に対する300万ドルの寄付を、石油資源が豊富な赤道ギニアでまん延している貧困の緩和に使うよう求めてきた。

国連の2011年人間開発報告書によれば、赤道ギニアの1人当たり国内総生産(GDP)は31,779ドルと、日本とイタリアとほぼ同じで、フランスより2,000ドル少ないだけである。しかし生活水準は劣悪で、人間開発指数では187ヶ国中136位に位置し、その結果、赤道ギニアは、経済ランキングと人間開発スコアの格差が、全ての国の中で飛び抜けて大きい国となっている。

ユネスコにオビアン賞の廃止を再度要求する声明を本日公表した7団体は以下の通り。

スペイン人権協会

シェルパ協会

ジャーナリスト保護委員会

赤道ギニアに公正を

グローバル・ウィットネス

ヒューマン・ライツ・ウォッチ

オープン・ソサエティー正義イニシアティブ