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ソマリア:アル・シャバーブの攻撃 断固許されない

モガディシオ爆弾テロ 代償を払うのは一般市民という現実

(ナイロビ)-本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは、10月4日にソマリアの首都モガディシオで起きた爆弾テロについて、一般市民に対する攻撃であり絶対許されないと述べた。この爆弾テロには、イスラム主義武装勢力アル・シャバーブが犯行声明を出している。ドブレーとドゥサマレブでの戦闘激化で少なくとも11人が死亡した事件に加えて、この攻撃により一般市民がソマリア内戦の犠牲になっている実態がまた浮き彫りになった。

10月4日、モガディシオのキロメーター4と呼ばれる主要な交差点の検問所で、爆発物を積載したトラックが爆発。現場は、教育省を含む複数の庁舎がある建物の敷地外で、69人〜82人が死亡し、少なくとも90人が負傷した。犠牲者の多くは試験結果の発表を待っていた学生とその家族だった。アル・シャバーブの報道官アリ・モハメド・ラゲが犯行声明を出し、一般市民が暫定連邦政府の諸機関に近づかないよう警告するとともに、更なる攻撃を示唆した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアフリカ局長ダニエル・ベケレは、「モガディシオでのこの憎むべき攻撃は、アル・シャバーブがいかに一般市民の命を軽視しているかを示すものだ。アル・シャバーブは一般市民を攻撃対象にするのを即時に停止すべきだ」と述べた。

アル・シャバーブは、配下の戦闘員全員が戦争法に従うように確保しなくてはならない。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ここ1、2年の間に、アル・シャバーブが「教育」に対して行った数々の重大な攻撃を調査し、取りまとめてきた。具体的には、意図的な教育施設への攻撃、学校での児童の強制徴兵活動、教師や学生の殺害などで、これらは戦争犯罪に該当する可能性がある。

アル・シャバーブと暫定連邦政府傘下にあるラスカンボニを含む民兵組織との間の戦闘が、ケニアとの国境に近いドブレーで発生、その4日後に爆弾テロは起きている。地元消息筋がヒューマン・ライツ・ウォッチに伝えたところでは、両陣営ともに迫撃砲を使用、集中砲火によって一般市民の犠牲者を出したという。少なくとも11人が殺害されたとの報告がある。ドブレーは、武力紛争と飢饉からケニアに逃れようとするソマリア難民の通過地点。ここ数日間にソマリア中央部ドゥサマレブでも、アル・シャバーブと、暫定連邦政府傘下にあるもう1つの民兵組織、アル・スンナ・ワル・ジャマーとの間で戦闘が勃発している。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは国連に対し、ソマリアで起きている重大な人権侵害は何かマッピングするとともに、それを調査するために独立活動を開始するよう求めた。

アル・シャバーブは8月6日、モガディシオから撤退。戦乱で荒廃した首都に対して新たな戦術を展開すると公言していた。地元および国際的な消息筋はヒューマン・ライツ・ウォッチに、暫定連邦政府軍は、アル・シャバーブ撤退によりもたらされた安全保障上の空白をほとんど埋められていないと伝えている。     

2009年12月にモガディシオで起きた医学部の卒業式に対する自爆テロなど、アル・シャバーブは他にも破滅的な攻撃を一般市民に加えてきた。2010年7月11日にはウガンダの首都カンパラで2発の爆弾を同時に爆発させ、少なくとも76人を殺害している。

前出のアフリカ局長ベケレは、「ソマリアでは、一般市民への人権侵害があまりにひどい。そしてあまりに頻繁すぎる」と述べる。「このような人権侵害に対する不処罰の連鎖終焉こそが、ソマリアの未来の鍵である。」 

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