亡くなった息子の遺影を手にするNazim Mondulさん。16歳のPeparul Sheikhはインド国境警備隊によって殺害された。

© 2010 Prashant Panjiar

バングラデシュとの国境沿いを警備しているインド国境警備隊。長年、無差別殺人に手を染めてきました。これに歯止めをかけるため、インド政府は、同警備隊に供給される武器を非殺傷系武器に変更したのです。

インドの国境警備部隊(以下BSF)が過剰かつ頻繁に致命的な武器を使用していることについて、ヒューマン・ライツ・ウォッチは報告書を発表。その数週間後、インド政府はBSFの警備隊に供給される武器を非殺傷系武器に変更するように命じたのです。密輸などの違法行為を封じ込める努力が叫ばれる中、インド軍は国境警備のために致命的な武器を使用。そのため、この10年間でバングラデシュ人とインド人あわせて900名以上が国境地帯で命を落としました。

昨年、ヒューマン・ライツ・ウォッチのチームが、いわれのない暴行、拷問、無差別殺人など重大な人権侵害の実態を調査・記録するため、バングラデシュとインドで活動。地元の2つの人権団体 - インド・コルカタのBanglar Manabadhikar Suraksha Mancha(MASUM)とダッカのOdhikar - と連携し、被害者、目撃者、人権活動家、ジャーナリスト、政府法執行当局、BSFのメンバー、「バングラデシュ・ライフルズ」として知られるバングラデシュ治安部隊のメンバーなど100名以上に聞き取り調査を行いました。

これらの調査により、ほとんどすべての被害は、地元住民が恐れるインド政府当局によって行われていたことが明らかになりました。人口が密集し、ひどく貧しいため、国境ぎりぎりまで土地が耕されている国境地帯。ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査で、多くの犠牲者が、貧乏ゆえに牛泥棒をしていた時に殺害されたことが分かりました。これは犯罪の重大性に不釣合いな超法規的な処罰であり、明らかな国際法違反に当たります。

私たちは、ダッカとニューデリーで記者会見を開き、BSFに関する報告書を発表。バングラデシュ政府とインド政府に調査結果を提出しました。インド政府当局は、ヒューマン・ライツ・ウォッチが報告書に掲載した調査結果を認めたのです。検死解剖の結果と目撃証言を通して、多くの人が殺害されたのは、国境警備隊を攻撃しようとしたためではなく、むしろ回避しようとして逃走していた最中だったことが判明。バングラデシュ政府は、より積極的に自国民を保護すると約束しました。

2011年3月12日に、インドの国境警備部隊(BSF)のRaman Srivastava長官は、BSF要員に非殺傷系兵器を供給することを確認。更にインド政府は、警備部隊内における人権侵害の加害者に対する懲戒処分を行うと述べました。