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日本:北朝鮮の人権問題について強い働きかけを

脱北難民と元日本居住者たちの日本受け入れに向けた政策の導入を

(ニューヨーク)日本の鳩山新政権は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の人権状況の改善にむけ、リーダー的役割を果たすべきである、とヒューマン・ライツ・ウォッチ及び他のNGO3団体が鳩山由紀夫首相に宛てた書簡で本日述べた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ、北韓人権市民連合(Citizens' Alliance for North Korean Human Rights)、北朝鮮難民救援基金(Life Funds for North Korean Refugees)、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(The Society to Help Returnees to North Korea)は、日本政府に対し、脱北難民の悲惨な現状の解決に向けた対応、ならびに、1959年から1984年に日本から北朝鮮に渡った人びとの消息を明らかにするための措置も強く求めた。

「北朝鮮の人々に対する人権侵害は、日本の目と鼻の先で起きている。しかし、日本政府は、日本人拉致問題については声をあげているものの、それ以外の問題についてはほとんど沈黙したままだ」ヒューマン・ライツ・ウォッチの東京ディレクターである土井香苗は述べた。「日本の新政権は、北朝鮮政権に対し、より広い人権問題を強く働きかける先頭に立つべきだ。」

日本政府はこれまで、国連総会や国連人権理事会で、北朝鮮の人権侵害を非難するいくつもの決議の共同提案者になるなどして、北朝鮮の人権状況、とりわけ日本人拉致被害者の状況について世界の世論の関心を高めてきた、と書簡は述べた。最近では、2009年10月下旬、欧州連合(EU)と日本が、国連総会で新しい決議を提案した。

書簡は、「中国政府に対する脱北難民の認定・保護の働きかけや、日本に関連性のない脱北難民の受け入れ、過去に北朝鮮に渡ったものの日本へ帰国した人びとの受入れの継続などを、日本政府は進めていくべきであり、そうすれば、日本政府は、北朝鮮との今後の二国間対話において、北朝鮮で人権を促進し保護するために、さらに積極的で重要な役割を果たすことができる」と指摘。

北朝鮮体制派組織は、北朝鮮は地上の楽園と宣伝して北朝鮮への移住運動を推進。その結果、1959年から1984年にかけて9万3千人を超える人々が日本から北朝鮮に移住した。移住した人びとには日本人・元日本人・元日本居住者・その配偶者や子どもたちなどがいた。脱北者たちによると、日本から北朝鮮に移住した人びとのうち、少なくない人々が北朝鮮政府によって最終的に強制労働収容所送りにされ、そこで、餓えや、医療を受けられないことや、虐待により命を落としていったとのことである。元日本居住者の脱北者(数は少ない)の日本への再定住を受け入れているものの、こうした再定住政策も明確に打ち出されたものではない。

「北朝鮮のような国の人権状況を改善するのは、極めて難しい課題であることは確かだ。しかし、日本政府は、北朝鮮の国内にいる人びとや国外に逃れた人びとを助ける機会を無駄にすべきではない。」と土井は述べた。

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