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コンゴ民主共和国:ボスコ・ンタガンダを逮捕せよ

カビラ大統領は、国際刑事裁判所の逮捕状(戦争犯罪容疑)を執行せよ

(ニューヨーク)-コンゴ民主共和国政府は、国際刑事裁判所(ICC)に戦争犯罪で訴追されている元民兵指導者ボスコ・ンタガンダを逮捕するべきである、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチはジョゼフ・カビラ大統領に宛てた公開書簡の中で述べた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ンタガンダは、子ども兵士の使用やコンゴ北東部イトゥリ地方における様々な残虐行為の責任者として訴追されているにもかかわらず、コンゴ政府がンタガンダをコンゴ軍の最高幹部に指名しようとしていることに、強い懸念を表明した。

「コンゴ政府高官が、戦争犯罪人といわれる人物とともに記者会見を開くのは、法の順守の促進に真っ向から反する」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの国際司法プログラムのカウンシル、パラム-プリート・シンは述べた。「カビラ政権は、ンタガンダを昇進させるのではなく、逮捕する法的義務を負っている。」

2008年4月以来、ンタガンダは子ども兵士を徴兵して戦闘に使用したという戦争犯罪容疑でハーグの国際刑事裁判所(ICC)から指名手配されている。ンタガンダは、1月26日に公判が開始された別のコンゴ民兵指導者トマス・ルバンガの事件の共犯者である。

2009年1月初旬、反政府軍である人民防衛国民会議(CNDP)の前参謀総長であるンタガンダは、ローラン・ンクンダに取って代わり、本武装グループの長になったと宣言。1月16日、コンゴ政府内務大臣と警察庁長官との共同記者会見の席上、ンタガンガは、コンゴ国軍との戦争ではなく、コンゴ東部で活動中のルワンダ解放民主軍(FDLR)との戦いに参加すると宣言した。なお、このFDLRの指導者の中には1994年のルワンダ大虐殺に参加していた人物たちがいる。

コンゴは、ICCを設立したローマ規程の締約国であり、従って、逮捕状が出されている者を逮捕しICCに引き渡すことを含め、ICCに協力する法的義務を負っている。

ICCによる本訴追に加え、ンタガンダには2008年11月、北キブ州キワンジャで150名の民間人を殺害した軍を指揮していた容疑もかけられている。また、2002年、彼が指揮していた部隊は、イトゥリ地区のモングブワルの町で、同地にある豊かな金鉱を支配下に収めた後、少なくとも800名の民間人を民族を理由に殺害した疑いがもたれている。

2005年、コンゴ反乱勢力への武器供与禁止に違反したため、ンタガンダは、国連の制裁措置リストに載せられた。

「このような凶悪犯罪の責任者を軍事作戦の責任者に任命すれば、民間人に対する攻撃の可能性がさらに高まる」と、シンは述べた。「コンゴ政府は、政府の法的義務を無視しているのみならず、人々の生命まで危険にさらしている。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、欧州連合、米国、国連安全保障理事会の理事国に本書簡を送付し、ンタガンダの逮捕をDRC政府に公けに要求しなかったことに深い失望を表明するとともに、カビラ大統領が逮捕を実行するよう、各国が影響力を行使することを強く求めた。

2007年5月、コンゴ政府は、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)に対してンタガンダ逮捕を支援するよう求めたが、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、同要請にそって、MONUCの支援も求めた。MONUCは、コンゴにおける法の支配を回復し、戦争犯罪者の責任追及を実現するようコンゴ政府を支援するマンデートを有している。

「国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状は、政治的に不都合な場合には無視する、という性質のものであるべきではない」とシンは述べた。「ンタガンダの逮捕は、コンゴ民主共和国ではもちろん、世界における法の正義の実現のため重要である。」

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