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インドネシア:人権を侵害するHIV監視計画の否決を

HIV陽性者に追跡チップを埋め込む法案

(ニューヨーク)-インドネシアのパプア州の議員たちは、エイズ蔓延を監視する目的でHIV陽性者にマイクロ・チップを埋め込む法案を否決すべきである、とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。

インドネシアで最東端に位置するパプア州では、アジアで最も急速にHIV感染が拡大しているインドネシアの中でも、HIV感染率が同国平均の15倍に達する。同法案は、性交渉を行うHIV陽性の人びとを追跡し、もし、そうした人びとが他者をHIVに感染させた疑いのある場合に訴追することを目的としている。多数により可決され、2009年1月には成立が予想されている。議員たちによると、同法案は、「性的に積極的な」HIV陽性の個人に対し、当局がそうした人を認定した上で最終的には処罰することも認める。

「このように人権侵害を伴う誤った計画は、HIV陽性であるなしにかかわらず、全ての人々に対する侮辱である」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのHIV/AIDSと人権プログラム局長ジョセフ・アモンは述べた。「HIV陽性であることを犯罪と見なすべきではない。また、HIV陽性者にマイクロ・チップの埋め込みを要求することは、プライバシーと人間の尊厳に対する権利を、最も根本的に侵害する。」

国連合同エイズ計画(UNAIDS)は、HIVを感染させることに刑法を広く適用するのは公衆衛生と人権の両方を阻害する危険があると懸念を表明。HIVの伝染を法律で特に犯罪化すれば、人びとは、HIV検査を受けたり、自分のHIV状態を他者に打ち明けたりすることを躊躇するであろうし、HIV陽性者に対するスティグマ(社会的汚名)がさらに強固になろう。また、本法による訴追と処罰が、社会の周縁に追いやられ、HIV伝染の原因と非難されやすいグループに属する人びと(セックス・ワーカー、男性とセックスをする男性、麻薬常用者など)に、過度に偏って行われる可能性が高い。

「世界エイズ・デーに先立ち、無知と差別に基づく法案を、議員たちが提案している」と、アモンは述べた。「パプア州の議員たちは、人権侵害を引き起こすこの法案を否決すべきだ。」

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