Facebookは先週、性別(ジェンダー)欄を自由記述型に変更しました。これは多様性と表現の自由の尊重に関する大切なメッセージです。

同社は説明をこう変えました。「性別欄に挙げられた選択肢に適したものがない場合は、ご自分で追加できます」。ユーザーは自分の性別を表現する単語を10個まで記入し、閲覧範囲を管理できます。「当社は本当のジェンダー・アイデンティティ(性自認)を他人に伝えることが難しい方がいることを承知しています。この設定をお使いになり、自分にしっくりくるようにお書きください。」

Facebookが性別を包括的に捉えることになった背景には、世界各地のLGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)活動家が、性自認を当人の申告通りに認めるよう訴えてきた経緯があります。こうした取り組みの多くが、性別記入を求めるさまざまな書類について、男女以外にも選択肢を設けるよう求めています。

少なくとも6つの国(バングラデシュインドパキスタンネパールニュージーランドオーストラリア)では、3つ以上の性別が何らかのかたちで法的に認められています。オランダの活動家たちは、性別欄そのものの廃止が多様性を受け入れるうえで有効であり、個人の尊重に向けたステップだと主張しています。パスポートに関する国際規定は、保持者に性別を明示するよう求めています。しかしパスポートのように厳正に扱われる書類でも、性別が不定な場合は「X」と記すことが法的に可能です。

自分の性自認を自由に登録できることがなぜ重要なのでしょうか。経験によれば、誕生時に割り当てられた男または女という性(セックス)とは反対の性別(ジェンダー)を記載した身分証明書を持つことは、移動や旅行、通院、登校、選挙など市民生活の基本的な活動に参加する際に、侮辱や悪意ある詮索の被害を防ぐ上で役に立ちます。

それだけではありません。性別を自由選択にすることは、性別は男と女の2つだけだという枠組みの外にいる人びとの経験に大きな影響を与えることにもなります。

たとえば、自分の性別に違和感を抱く人びとを対象にしたアメリカでの調査によれば、自分の性別を自由記述で示すグループは、高等教育を受けているにもかかわらず、その他のトランスジェンダーの人たちと比べて高い割合ですでに貧困生活を送っていました。

Facebookは「各個人が性別について深く感じる、内的で個人的な経験」の尊重に向けた大切な一歩を踏み出しました。その動きは、社会包摂を実現し、個人の尊厳を守る方向へと丁寧に向かおうとする様々なしくみにとってのモデルになるでしょう。