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中国:全人代で 人権改革 前進させよ

労働教養制度、差別的戸籍制度、家庭内暴力に取り組むべき

 

(ニューヨーク)-ヒューマン・ライツ・ウォッチは、中国の習近平・共産党総書記と呉邦国・常務委員会委員長(議会議長に相当)に宛てた書簡を出し、このなかで、全国人民代表大会は、人権保護を強化すると何度も表明している点について各種法律で具体化させるべきだ、と述べた。3月5日に北京で開幕する全国人民代表大会(以下、全人代)は3千人を超える代表者が出席する年に一度の大会。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは全人代に対し、「労働を通しての再教育」や「差別的な戸籍登録制度」、「総合的な家庭内暴力対策法成立」、「市民的及び政治的権利に関する国際規約の批准」について、直ちに立法行為をとるよう強く求めた。これらの4つの課題について、改革が必要だとの広い支持が存在している。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ中国部長ソフィー・リチャードソンは「年に一度の全人代は、中国の人権促進に資する法律を成立させる絶好のチャンスだ」と指摘。「労働を通した再教育(労働教養制度)や、戸籍登録制度、家庭内暴力は、長年改革が待ち望まれている重要課題だ」という。

これらの課題の解決に向けた措置が必要なことは政府幹部らも度々公言してきたことである。中国共産党中央政法委員会は2013年1月、まず改革が必要な課題として、「労働を通した再教育(労働教養制度)」と「戸籍登録」(戸口: フコウ制度とも呼ばれる)などを挙げた。家庭内暴力に対する立法措置は地方レベルで進んでおり、政府系機関である全中国女性連盟は国の法律として導入するよう2008年以来提言してきている。中国政府は1998年に「市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下ICCPR)」を署名したもののまだ批准はしておらず、「批准に向けての環境作り」に努力中であると、10年以上にわたって主張し続けている。

中国政府は、全人代という年に一度の会議をチャンスに、中国の人権状況改善に向け極めて重要な立法改革に着手し、新指導部が約束したことの重みを明らかにするべきだ。

2013年世界人権年鑑でヒューマン・ライツ・ウォッチは中国に関し、経済成長・都市化・グローバルパワーとしての躍進は持続しているものの、最近数年間、人権問題に関する進展は殆ど見られないと評価している。

前出のリチャードソン中国部長は「労働を通しての再教育の全面廃止とICCPR批准は、司法改革と基本的人権尊重の重要なメッセージとなる。政府はこうした措置を先延ばしにしたままで、人民の要求に応えているとは主張できない」と指摘する。

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