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ウクライナ:EUは首脳会談でLGBTの権利について取り上げるべき

同性愛憎悪法案と暴力 非難すべき

 

(ブリュッセル)-EUは間もなく行われるEU・ウクライナ首脳会談において、ウクライナ政府に同国のレズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー(以下LGBT)への人権侵害を止めるよう強く求めるべきだ、とヒューマン・ライツ・ウォッチとその他23の団体が本日、EU高官らに宛てた書簡で述べた。

この書簡に署名したのはウクライナ地元のNGO22団体、イコール・ライツ・トラストそしてヒューマン・ライツ・ウォッチで、ウクライナ議会で審議中の同性愛憎悪法案に対して明確な反対意見を述べると共に、LGBT活動家への襲撃を非難するようEUに対して求めている。首脳会談は2013年2月25日に、ブリュッセルで開催される予定だ。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのフィンバーグ・フェローのアンナ・キレイは「EUとの関係を深めたいと切望している国が、同性愛嫌悪法律を制定するなど言語道断だ」と指摘。「EUの隣国がLGBTを差別するなど受け入れられないと、EUは首脳会談において明確に述べるべきである」とする。

現在開会中のウクライナ議会「ヴェルホーヴナ・ラーダ(ウクライナ最高議会)」において、2本の「同性愛プロパガンダ」法案審議が予定されている。この法案には、同性愛を「助長」する文書の製造・公表・配布の禁止に加えて、違反者には罰金と5年以下の懲役を科すなどと規定されている。

法案が議会を通過した場合でも、ウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領がその2本の法案への署名を拒否するよう、EUが求めるべきであると24団体は強く要請している。

欧州議会が2012年12月に採択した決議において、同性愛嫌悪に基づく法律案が通過すれば、表現・結社・平和裏に行われる集会の自由の権利といった基本的人権を侵害するだけでなく、ウクライナにおけるLGBTへの差別を大きく助長することになる、という危惧が表明されている。法案が18歳未満の若者を含むLGBTの人びとへの差別を政府が助長する、という受け入れ難い状況を作り出すことを24団体は指摘。法案はさらに、LGBTの人びとの権利を守る人権活動家を危険にさらす。

LGBTの人権を支持するイベントを開催したウクライナの複数のLGBT活動家が、ネオナチとナショナリストのグループによって襲撃される事件が最近も複数起きている。ウクライナ議会で議席の12%を占める政党であるスボボダ党は、2012年12月の襲撃への支持を表明。キエフ・プライドの主催者たちも、2012年と2013年にも何度も襲撃されている。

前出のキレイ フェローは「この法案が提案されて以降、同性愛憎悪に由来する暴力はウクライナで増加傾向にある」と指摘。「LGBT活動家へのあらゆる襲撃に対する徹底的な捜査と責任追及をウクライナ政府に期待する、とEUは明確に伝えるべきである。」

EUがウクライナ政府に以下を強く求めることを、24団体は要請している。

● 議会において審議中の同性愛憎悪に基づく法律が、ウクライナ政府が順守すべき国際的義務及び基本的価値を侵害していると表明した上で、同法案に反対であると明確に伝えること

● LGBTコミュニティのメンバーへの暴力や脅迫行為に対して実効ある捜査を行うと共に、そのような犯罪を行った者の責任を追及すること

● LGBTのイベントの主催者及びその参加者を適切に保護すること

● LGBTへの差別・暴力・憎悪を煽る可能性のある言説をウクライナ政府が非難すると共に、そのような言説がウクライナ社会にあってはならないと明確にすること

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