(ニューヨーク)デモがあったリビアの数都市で、政府の治安部隊は3日間で少なくとも84人を殺害した。ヒューマン・ライツ・ウォッチは地元の病院スタッフおよび目撃者との電話インタビューに基づいて発表した。 

リビア政府当局はただちに非暴力のデモ隊への攻撃を停止し、親政府武装グループによる攻撃からデモ隊を守るべきである。

数千人ものデモ隊はリビア東部の都市、ベンガジ、ベイダ、アジュダビヤに集結した。前日に、平和的なデモに対する武力による攻撃が行われ、ベンガジで20人、ベイダで23人、アジュダビヤで3人、そしてダルナで3人が殺されている。病院関係者がヒューマン・ライツ・ウォッチに語った情報によれば、治安部隊は2月18日にベンガジで35人を殺害、ほぼすべて実弾の銃撃によるものだった。

「ムアンマル・カダフィ氏の指揮する治安部隊は、変革と説明責任を要求しているだけで、リビア市民に対して発砲し、多くの人びとを殺している。」と、中東・北アフリカ局局長代理ジョー・ストークは述べる。「リビア政府当局は、平和的なデモ隊が自分の意見を主張することを許さなくてはならない。」

ムアンマル・カダフィ氏は42年間リビアを支配している。 

2月18日のベンガジでのデモは、前日に治安部隊に殺害された20人のデモ参加者の葬儀をきっかけに始まった。目撃者がヒューマン・ライツ・ウォッチに語ったことによれば、目立つ黄色の制服を着た治安部隊は、ベンガジ中心部に位置する治安部隊の本拠地であるファディル・ブ・オマール・カティバ付近で、デモ隊に対して発砲したということである。1人のデモ参加者は4人が射殺されたのを目撃したと語った。 

2月18日午後11時までに、ベンガジのアルジャラー(Jalaa)病院の幹部は、その日に殺害された35人の遺体を収容した、とヒューマン・ライツ・ウォッチに語った。「犠牲者らの死因は胸、首、頭を銃撃された銃創によるものでした。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、本病院の2つの情報源から、2月17日の死者数は20人にのぼり、少なくとも45人が銃弾で負傷したと確認した。 

病院関係者のある幹部は、ヒューマン・ライツ・ウォッチに対し、「我々は、ベンガジ内の全ての医師に病院に来るように要請するとともに、全ての人に対して献血を呼び掛けました。なにせ、こんな事態に直面したことは今までにないからです。」と語った。

目撃者らは、ベンガジでは、2月18日の銃撃後夜中ずっと、デモ隊が引き続き裁判所に集結し、群衆は数千に膨れ上がった、と語った。 

さらに東のベイダでは、2月18日、前日に射殺されて亡くなった23人の人びとをデモ隊が埋葬。デモ隊の1人によれば警察が通りを巡回していたが、それ以上衝突は起こらなかった、ということである。

ベンガジの南に位置するアジュタビヤ(Ajdabiya)でも、2月18日の早朝、人びとが前日に射殺された3人のデモ参加者を埋葬するために集まった、とデモ参加者の1人がヒューマン・ライツ・ウォッチに語った。2月17日、革命防衛隊員らは、政府の変革を求めていた平和的なデモ隊に対して発砲。2月18日、夜の午後9時30分までデモは続いたが、それ以上の攻撃は行われなかったという。 

リビアの政治と経済の中心であるトリポリでは、国の東側に比べて静穏を保っている。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、フェースブック(Facebook)への投稿が原因で公安に召喚されていた男性の家族に話を聞いた。2月18日午後6時頃、公安の職員が家族の家にやって来て、男性と叔父の両方を家族から連行。公安は拘束場所を明らかにしなかった。

「リビア政府はジャーナリストや人権を監視する人びとが自由に活動するのを許可していない。」とストークは述べる。 「それでも世界中の人びとは何が起こっているのかを注視している。残虐行為に手を染めれば、軍とその司令官は将来法的責任を追及されることになろう。」