(東京) 鳩山新政権は、ビルマのロヒンギャ民族の庇護申請者を保護するとともに、ビルマ政府に対し、ロヒンギャ民族の人権侵害を終わらせるよう強く働きかけるべきである。本日提出された千葉景子法務大臣、岡田克也外務大臣宛ての共同書簡で、8つの国内および国際人権団体はこのように述べた。

「日本政府の沈黙は、ビルマの軍事政権に対し、ロヒンギャ民族への残酷な人権侵害が継続されてもよいとのメッセージとなってしまう」ヒューマン・ライツ・ウォッチの東京ディレクター土井香苗はこのように述べた。「日本国内のロヒンギャ民族を保護するとともに、ビルマにおけるロヒンギャ民族を保護するため、鳩山政権は政策を迅速に見直すべきである。」

 

同8団体は、千葉法務大臣に対し、庇護希望者のビルマを送還先とする退去強制令書を撤回し、日本国内のロヒンギャに在留特別許可を出すよう要請した。この10年ほどの間に、少なくとも110名のロヒンギャ民族が主に空路で来日し、日本政府に対して庇護を求めた。ロヒンギャの庇護希望者が実際にビルマに強制的に退去させられたという報告はうけてはいないものの、日本に住む多くのロヒンギャ民族が、難民認定を拒否され、強制収容をされたり、退去強制命令を受けたりしている。

 

同8団体は岡田外務大臣に対し、ビルマ政府に、ロヒンギャ民族に対する人権侵害を終わらせ、ロヒンギャ民族がビルマ国民たる十分な権利を享受できるようにするよう、強く働きかけるよう要請した。超法規的殺害、強制労働、宗教迫害、移動規制といったロヒンギャ民族に対する人権侵害に追い討ちをかけるのが、ロヒンギャを無国籍者とする厳しいビルマ国籍法である。これまで長年にわたり、日本政府は、ビルマでの人権侵害を終わらせるため軍事政権の高官たちに圧力をかけることに及び腰だった。

本共同書簡は、アムネスティ・インターナショナル日本、アラカンロヒンギャ協会日本(JARO)、在日ビルマ人難民申請弁護団、在日ビルマロヒンギャ協会、難民・移住労働者問題キリスト教連絡会<難キ連>、ビルマ市民フォーラム、ビルマ情報ネットワーク、ヒューマン・ライツ・ウォッチ により作成された。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日、フォトエッセー(12ページ)と報告書「生死をさまよう人々:ビルマのロヒンギャの窮状」の日本語訳も発表した。本報告書では、ロヒンギャがビルマとバングラデシュから大量流出する様々な原因とともに、東南アジア諸国に逃れた後の処遇を調査して報告している。ビルマ国内、特にアラカン州でのロヒンギャに対する迫害と人権侵害は、国際社会の注目を十分に集めないまま、20年以上も続いている。

 

同8団体は、本日東京にて、本報告書と日本国内でのロヒンギャの庇護希望者の処遇に関するイベントを開催の予定。

「ロヒンギャ民族は、ビルマでは迫害され、庇護を求めた国でも適切な扱いを受けていない。」土井はこのように述べた。「日本政府は、日本国内でのロヒンギャの保護を確保すべきである。」