Peru's former President Alberto Fujimori enters a courtroom at the Special Police Headquarters in Lima. January 23, 2008.

© 2008 Reuters

 (リマ)-ペルーの裁判所は本日、アルベルト・フジモリ元ペルー大統領に対し有罪判決を言い渡した。これはペルーやその周辺諸国のみならず、世界の人権侵害への責任追及において大きな前進である、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。

ペルー最高裁特別法廷の裁判官3名で構成される裁判体は、フジモリの重大な人権侵害などの容疑に対し、有罪判決を下した。

「何年も法の裁きを逃れ続けた後、遂にフジモリは自らの犯した罪について責任を負うこととなる。」と、法廷で判決の言い渡しを傍聴したヒューマン・ライツ・ウォッチの上級アメリカ調査員、マリア・マクファーランドは述べた。「この判決、及び、裁判での模範的な審理過程によって、ペルーの裁判所は世界に対し、元国家元首でさえ重罪の責任から逃れることは期待できないと示したのだ。」

本日の画期的判決は、増加する元国家元首への責任追及の世界的傾向に沿うものだ、とヒューマン・ライツ・ウォッチは指摘した。しかし同判決は、他の多くの場合と異なり、ペルーの裁判制度が元大統領に対して裁判を行う意志、能力、独立性を備えていると示した点で、他から際立ったものでもある。

長期間にわたる審理はテレビ放映され、その後判決が下されたが、ヒューマン・ライツ・ウォッチは同審理が、適正手続を順守し公正な裁判の国際基準に合致していた、と述べた。

フジモリは、1991年と1992年の2つの虐殺事件における25名の殺害の罪、及び、1992年のグスタボ・ゴリッティ(ジャーナリスト)とビサミュエル・ダイヤー(ビジネスマン)の誘拐の罪で、有罪判決を受けた。この虐殺は、軍情報局員で構成された特殊部隊のコリーナ部隊によって実行された。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの2005年の報告書「相当な理由:フジモリ関与を示す証拠」は、フジモリをコリーナ部隊やその活動と結びつける、当時の実質的証拠について詳述している。この証拠には、コリーナ部隊がならず者の一団ではなく、軍内部の正式な組織であった事実を示す多くの公式文書と証言が含まれていた。コリーナ部隊員は、フジモリの完全な管理下にあった軍と国家情報局の最高レベルの幹部から物資の援助を受けていたのである。

裁判中にはさらに、この虐殺が、ペルー情報局を通じてフジモリが策定し実施した対ゲリラ戦略の一環であったことを示す証拠が明らかにされた。

本日の判決は、独裁主義および脆弱な法の支配といったペルーの歴史下では、さらに重要な意味を持つ、とヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。フジモリ政権は10年にわたり、大統領に権力を集中させるため賄賂、恐喝、脅迫を行い、民主化プロセスを妨害し、政府による人権侵害への、司法、立法、メディアにより通常行われるべきチェックを排除してきた。フジモリは他にも、多数の汚職容疑(報告書「相当な理由」に詳述)で審理を受けることになっている。

「数年前までは、フジモリはペルーの司法制度をほぼ完全に支配していた。」とマクファーランドは述べた。「今回の判決は重要である。それは判決内容が重要だからというだけではなく、過去の人権侵害に取り組んだり、法の支配を強化するという、独立した法廷が果たし得る重大な役割を示したからだ。」

本日の有罪判決に対しては、最高裁への控訴が可能である。

「審理中にみられた透明性と公平性が、今後の裁判でも続くと信じたい。」とマクファーランドは述べた。「そうすれば、今回の判決が覆ることはないはずだ。」