日本の安倍晋三首相が本日、ドナルド・トランプ米大統領との会談のためワシントンDCに到着します。その後2人の指導者は、フロリダ州にあるトランプ大統領所有の「マーアラゴ」に移動し、週末をそこで過ごしながら首脳会談やゴルフをするのだそうです。 

Left: Japan's Prime Minister Shinzo Abe speaks at a news conference in Hanoi, Vietnam January 16, 2017; Right: U.S. President Donald Trump speaks during the 2017 "Congress of Tomorrow" Joint Republican Issues Conference in Philadelphia, Pennsylvania, U.S. January 26, 2017.

日米首脳会談では、公式には経済問題、貿易、関税などに焦点が当てられています。が、実際二国間にはそれ以外にも様々な重要問題が横たわっているのです。たとえば国連のような多国間機関における役割、そして世界の大ドナー国として二国がどのように負担を共有していくのか。

 トランプ大統領と彼の顧問たちは、人権や国連のような国際機関への敵意を隠そうともしません。リークされた大統領令草案には、国連の分担金削減や 多国間条約の再検討、保健サービスへの資金援助をめぐる厳しい制限などが含まれています。たとえば、「グローバル・ギャグ・ルール(口封じの世界ルール)」のより厳しいバージョンの結果、患者にリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)の選択を提供する(話をするだけでも)すべての医療施設が、米国からの資金援助を取り消されてしまうかもしれません。つまり、トランプ大統領のグローバル・ギャグ・ルールの下では、家族計画サービスはもちろんのこと、たとえば、母親、新生児、乳幼児の保健、HIV /エイズ、結核、そのほかの疾病に関する多くのプログラムが影響を受けることになるでしょう。日本が何十年にもわたり海外の開発援助プログラムを通じて、大きく支援してきた公衆衛生課題が大きく影響を受けることは免れません。

これによる人的損失は驚異的とさえいえます。日本をはじめとするドナー国は、不足分を埋めるように頼まれるでしょう。それが新たな財政的負担となってのしかかってくることになります。たとえ日本などのドナー国が最善を尽くしても、世界中のニーズを満たすことはできません。医療と援助を削減した結果、罹患率および疾病が増加していくでしょう。

今のところ、ギャグ・ルール大統領令だけが署名されています。しかしトランプ大統領の国際組織に対する敵意やそうした機関が解決している問題に関する無関心は消えそうにありません。

世界で2番目に裕福な民主主義国家の指導者として、安倍首相は、ギャグ・ルールの悪影響はもちろん、多くの弱者の拠り所である国際組織に対する攻撃による代償についてトランプ大統領に警告を発することのできる独特の立場にあります。 日本が、たとえば移民や難民などの人権問題を抱えるからといって、世界的な課題について沈黙すべきではありません。安倍首相訪米の成功度は、トランプ政権が国連をはじめとする国際組織と建設的関係を保つ意思を持てるようになるかどうかで測られるべきです。今回、安倍首相が沈黙したままでいる代償はあまりに高すぎます。