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シリアへの軍事介入の可能性に関する声明

(ニューヨーク)-2013年8月21日に、シリアの首都ダマスカス近郊の東・西グータ地区で化学兵器によると思われる攻撃があったことを受けて、米国、英国、フランス他がシリアに対する軍事介入を検討している。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは本件に関し、支持・反対いずれの立場も取らない。しかし、いかなる軍事介入も、シリアの全ての民間人をさらなる残虐行為からどの程度守ることができるのか、という観点から判断されるべきであると考える。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのケネス・ロス代表は「『眠っている子どもたちに毒ガスを浴びせるべからず』という、基本的な人道主義規範順守の名目で実行される軍事行動は、化学兵器であれ従来の兵器であれ、それらを用いたさらなる違法攻撃から、全ての民間人を保護できるかどうかによって判断されることになる」と述べる。

軍事介入が行われる場合は、戦闘の全当事者が戦争法を厳守せねばならない。戦争法は一般市民に対する意図的な攻撃や、一般市民と戦闘員を区別しない攻撃、予想される軍事的利益に比して、過剰な危害を一般市民にもたらす攻撃を禁じている。クラスター弾や対人地雷など禁止された兵器も使用されるべきではない。戦闘の当事者は一般市民への危害を最小限にすべく、実行可能なあらゆる予防措置を講じ、一般市民を攻撃目標から確実にはずし、人口密集地への部隊展開を避けねばならない。広範な人権侵害で知られる政府軍、あるいは反政府武装勢力への武器や物資の供給は、侵害の共犯行為となり得る。

軍事行動の当事者はそれに付随する人道上の必要性を考慮し、包括的な計画をもとにして、こうした必要に応えるべきだ。シリア政府の許可を得た救援物資のみでは不十分なことを考慮に入れ、同国の同意にかかわりなく、国境を越えた支援活動を飛躍的に拡大すべきだろう。戦闘の当事者は一様に、危機に直面している民間人への人道援助を認めなければならない。

ロシアと中国の再三にわたる拒否権行使で、国連安保理はシリア問題をめぐって2年以上もこう着状態に陥っており、残虐行為抑制の一翼を担うことができなかった。軍事介入はさておき、安保理はシリアの事態を国際刑事裁判所(ICC)に付託すべきだ。これにより、国際法の重大な違反者を適切に訴追することができるようになる。そして、そうした疑いのある個人に対する制裁措置も発動すべきである。

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