Skip to main content

ヒューマン・ライツ・ウォッチ 3部門でウェビー賞にノミネート

コンゴ、ビルマ、コロンビアの人権蹂躙に光を当てた映像作品

(ニューヨーク)世界の人権問題の実態を描くヒューマン・ライツ・ウォッチの映像作品が、栄誉あるウェビー賞候補にノミネートされた。

ノミネートされたのは、ビルマ、コロンビア、コンゴ民主共和国で、人権活動家と人権侵害の被害を生きのびたサバイバーたちの真の姿を伝える3作品。「ウェビー賞を受賞できれば、被害者のより大きな力となる」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べる。これらの作品は、一流のフォトジャーナリストたちや、雑誌ニューヨーカーピューッリツアセンター などとヒューマン・ライツ・ウォッチが協同して作成した映像作品となっている。

ヒューマン・ライツ・ウォッチの渉外担当副代表 キャロル・ボガートは「ヒューマン・ライツ・ウォッチは、斬新な映像作品を作成して新たな創造的視点を開拓し、心を捉えて離さない人間の物語を描いてきた 」と述べる。「これらは、我々が伝えねばならず、そして知らなければならない物語なのです。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは3部門で受賞候補にノミネートされているほか、すでに2作品で特別賞を受賞している。

受賞候補作品

拝啓オバマ様:神の抵抗軍 (LRA) の被害者からのメッセージ(Dear Obama: A Message from the Victims of the Lord's Resistance Army) は、コンゴや近隣諸国の反政府勢力の攻撃を生きのびた子どもを含むサバイバーたちの率直な訴えである。この映像は、写真家マルカス・ブレスデール(Marcus Bleasdale)氏と危機報道ピュリッツァーセンター(Pulitzer Center on Crisis Reporting)とともに作成した。

亡命者たち:ビルマのために闘う人びと(Exiled: Burma's Defenders ) は、変革を求めて闘うビルマの人びとの姿を語る作品で、写真家プラトン(Platon)氏によるインタビュー映像と力強い肖像写真で構成されている。この作品はヒューマン・ライツ・ウォッチと雑誌ニューヨーカーが共同して作成した。

命の脅威:コロンビア民兵組織の後継集団(Deadly Threats: Successors to the Paramilitaries in Colombia) は、静止画と音響を用いて民間人を殺害する武装集団に対して立ち上がった名もなき人びとの強さと、生き残りをかけた闘いを記録。写真報道家のステフェン・フェリー(Stephen Ferry)氏は、ヒューマン・ライツ・ウォッチと共同で映像作品を創作した。

今年で15周年目を迎えるウェビー賞には、60カ国から10,000点を超える応募があった。ヒューマン・ライツ・ウォッチの作品は、世界中からのネット投票による視聴者部門でもウェビー賞候補に上がっている。視聴者部門の投票は2011年4月28日まで受け付け予定 (投票はこちらから:http://webby.aol.com/ )。 

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、これらのウェビー賞の各部門で、ニューヨークタイムズ紙、タイム誌、ウォール・ストリート・ジャーナル紙やガーディアン紙など、世界有数の名だたる報道機関と争っている。

「世界の最高峰の報道機関がウェビー賞を巡って競い合っている。その場に立てたことを、ヒューマン・ライツ・ウォッチは誇りに思う」前出のボガートは述べる。「ウェビー賞の授賞候補にノミネートされたことで、今まで人権蹂躙の実態に関心のなかった人たちも事実を知り、願わくば正義のために闘おうと鼓舞されることを期待する。」

受賞は5月3日に決定され、6月13日にニューヨークで授賞式が行われる予定。受賞者らはウェビー賞の有名な「5語スピーチ」を世界に向けて披露する機会がある。ウェビー賞は国際デジタル芸術科学アカデミー (International Academy of Digital Arts and Sciences) により授与される賞で、同アカデミーの審査員650人の中には、インターネットの共同開発者であるヴィントン・サーフ(Vinton Cerf)氏、R/GA の責任者ボブ・グリーンバーグ(Bob Greenberg)氏 、「シンプソンズ」の生みの親であるマット・グレイニング(Matt Groening)氏 、アリアナ・ハフィントン(Arianna Huffington)氏 、そしてハーヴェイ・ウェインスタイン(Harvey Weinstein)氏などが含まれている。

受賞候補部門

1.  ドキュメンタリー部門 (Documentary Series)

2.  ニュースと政治部門:一作品  (News & Politics: Individual Episode)

3.  ニュースと政治部門:シリーズ作品  (News & Politics: Series)

皆様のあたたかなご支援で、世界各地の人権を守る活動を続けることができます。