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グルジア:クラスター爆弾禁止条約へ参加せよ

グルジア政府が、ロシア軍に対するクラスター弾の使用を自認

(ニューヨーク)-グルジア政府が、ロシアとの間の2008年8月の紛争の際、クラスター爆弾を使用したことを認めたと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。ヒューマン・ライツ・ウォッチ宛ての書簡の中で、グルジア国防省は、クラスター爆弾搭載ロケットが「ロキ・トンネルからDzara 道[原文のまま]へ進行するロシアの軍備及び武器に対し使用された」と述べ、一方で、クラスター爆弾が「民間人、民間施設又は民間人の居住する地域やその近隣地域に対して使用されたことは絶対にない」と述べた。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、まだ本情報について独自の確認を取っていないが、紛争中にロシア軍がクラスター爆弾を使用したことを報告していた。

「いかなる場所であろうと、いかなる種類のクラスター爆弾であろうと、その使用は容認できない。紛争中そして紛争後も、民間人に危害を引き起こしうるからだ」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの上級軍事アナリスト、マーク・ガルラスコは述べた。「そのため、107か国が、クラスター爆弾を禁止する新しい国際条約を採択したばかりだ。グルジア及びロシアも、同禁止条約に署名すべきだ。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、グルジアが、クラスター爆弾の使用を自ら進んで認めるという行動を取ったことを歓迎すると述べた。そして、この行動が、クラスター爆弾禁止条約の締約国となることに向けた第一歩であってほしいとの希望を表明した。

グルジア国防省は、使用されたクラスター爆弾が、M85子爆弾内臓MK4ロケット搭載のGRADLAR 160 多連装ロケットシステムであったと明らかにした。Batu Kutelia国防第一副大臣も、ヒューマン・ライツ・ウォッチに対し、同クラスター爆弾が、グルジアが所有する唯一のクラスター爆弾であると述べた。

8月、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、グルジアのゴリ地区内の複数の地域で、ロシア軍が、数種類のクラスター爆弾(空爆用及び地上発射型双方)を使用したことを確認し、文書化して報告。そして、11人の民間人が犠牲となり、多数が負傷したと伝えた。ロシアは、今に至るも、クラスター爆弾の使用を認めていない。

ロシアは、未だに、クラスター爆弾の使用及びその結果生じた民間人の被害を認めていない」と、ガルラスコは述べた。

グルジアがクラスター爆弾を使用したことを認めたのは、今回が初めて。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、現在までに、グルジアがクラスター爆弾を使用したことによって民間人の被害が生じたとの情報は得ていない。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、グルジア及びロシア双方によるクラスター爆弾の使用についての調査を継続する。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、グルジア及びロシアに対し、今後のクラスター爆弾の使用を即時に放棄するよう求めた。そして、2008年12月3日にオスロで署名のために開放されるクラスター爆弾禁止条約に参加すると約束するよう呼びかけた。

グルジアもロシアも、クラスター爆弾の使用を禁止する新しい国際条約を実現するため2007年2月に開始されたオスロ・プロセスには参加していない。2008年5月、ダブリンにおいて、107カ国が、クラスター爆弾の使用、製造、取引、貯蔵を全面的に禁止するクラスター爆弾国際条約を採択した。

クラスター爆弾は、数十あるいは数百の子爆弾を内蔵する大型兵器で、二つの意味で許し難い人道的危害を引き起こす。まず、クラスター爆弾は広範囲にばらまかれるため、一般市民を無差別に殺傷してしまう。そして、多くの子爆弾は爆発せずに事実上の地雷となり、投下後、何ヵ月あるいは数年間も、一般市民が犠牲になり続ける。

グルジア政府は、ヒューマン・ライツ・ウォッチに対し、グルジア軍が使用したM85子爆弾は「自爆装置を備え...戦場に不発弾として残らないよう確保されている」と説明した。しかし現地調査の結果、2006年に南レバノンでイスラエルが用いたM85子弾の自爆装置は10パーセント以上の確率で機能せず、その結果、地上に多数の危険な「不発弾」が残ったことが明らかになっている。

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