ボリス・ディトリッヒ
ヒューマン・ライツ・ウォッチ(本部 ニューヨーク)の、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の権利プログラムのアドボカシーディレクター。
ディトリッヒはヒューマン・ライツ・ウォッチのLGBTの権利を守るアドボカシー活動の先駆者として、アフリカ、ラテンアメリカ、アジア、ヨーロッパなど世界各国を歴訪している。性的指向及び性自認に関する問題を前進させるため、同性愛・性同一性障害・トランスジェンダーなどで偏見や差別を受けてきた人々の声を聞き、頻繁に各国の政府関係者、国会議員、ジャーナリストと意見交換を行ってきた。ディトリッヒは、国際人権法を性的指向や性自認に適用した画期的な文書である、ジョグジャカルタ原則の国連での作成・発表を主導。また、67カ国が性的指向に基づく差別や暴力の根絶に言及した共同声明を発表するのに寄与した。更に、潘基文国連事務総長に対して積極的な働きかけを行った結果事務総長として初めて公に同性愛者嫌悪を非難する歴史的な一歩につながった。この他にも、バチカンが国連にて、同性愛行為の非犯罪化および同性愛者の人権を尊重すると正式に発表した際にも重要な役割を果たした。
2007年にヒューマン・ライツ・ウォッチで活動を始める以前、ディトリッヒは12年以上にわたりオランダの国会議員として活躍した。同性愛者の結婚に関する法案、ゲイのカップルによる養子縁組に関する法案にも携わった。これにより、オランダはゲイ、レズビアンの民事婚を認める世界で最初の国となった。議員になる以前はアルクマールの地方裁判所で裁判官として勤務し、アムステルダムで弁護士としても活動。オランダ語の小説およびノンフィクションをそれぞれ2冊発表している(うち1作はLGBTの権利について)。オランダにあるライデン大学のロースクール修士課程修了。
2013年5月、ディトリッヒは過去30年間におけるLGBTの権利保護活動が評価され、オランダ政府よりJos Brink State賞を授与された。
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2014年 01月 9日