Hasina witnessed a massacre. Burmese army soldiers threw her infant into a fire. Her younger siblings were beaten to death. The soldiers attempted to rape her before leaving her for dead in a burning house. Kutupalong refugee camp, Bangladesh, September 22, 2017.

© 2017 Anastasia Taylor-Lind for Human Rights Watch

ハシナさんはビルマ・ラカイン州出身のロヒンギャ女性(20)です。自分の写真と話を通して、ラカイン州でいま起きていることをどうしても世界に伝えてほしいと、穏やかな口調で訴えました。

ハシナさんの住むトゥラトリ村は8月下旬、ビルマ国軍の襲撃に遭いました。ロヒンギャ武装勢力が国境警察支部などを襲撃し、殺害と放火という報復の嵐が吹き荒れるなかでのことでした。住民は兵士の姿を見ると走って逃げましたが、川の土手で立ち往生してしまった人たちもいました。数十人が川岸で殺されたのを目と鼻の先で見ました、とハシナさん。しかし悪夢は序の口にすぎなかったのです。

兵士たちはハシナさんたち多数の女性に対し、腰丈までの水の中に立つよう命じると、穴を掘って、殺害した住民の遺体をそこに投げ入れ、火をつけるのを無理矢理見せたのです。ハシナさんは、まだ乳児の娘をショールに隠そうとしましたが、兵士に気付かれました。その兵士はハシナさんから赤ちゃんを奪うと、火の中に投げ込んだのです。

それから何時間も経った後、兵士たちはハシナさん、義理のお母さんと妹、それに未成年の親族3人を近くの家に連れて行きました。そして女性たちを全員レイプしようとします。抵抗した義理のお母さんをナイフで殺し、ハシナさんと義理の妹を殴って気絶させました。未成年の子ども3人は鋤で撲殺されました。

意識を取り戻したハシナさんは、自分がまだその家にいるのに気付きました。炎に包まれていましたが、兵士たちにより出口を塞がれて、外に出ることができません。義理の妹も生きていました。2人は火の手から逃れましたが、かなりひどい火傷を負いました。その状態のまま、なんとかバングラデシュ側に渡りました。2人とも傷はまだ癒えません。義理の妹も同じ出来事に遭ったと証言してくれました。後頭部には殴られて気絶したときの深い切り傷があり、医師により縫合されていました。

ハシナさんはぜひ写真を撮り、自分の顔を世界中に見せてほしいと私たちに強く望みました。顔を見せて証言すること、それはハシナさんにとって、自分と家族を抹殺しようとした人びとに対する勇気ある抵抗なのです。