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ミャンマー国軍、地雷の使用を強化

数十年にわたり、禁止兵器が民間人を殺傷

Volunteer medics change the dressings of men injured by anti-personnel landmines, Karen State, Myanmar, June 18, 2021. © 2021 Thierry Falise/Getty Images

「私は片足と牛1頭を失った」

アウン・ギャ・トワイ・タンチャンギャさん(22)は9月16日、バングラデシュとミャンマーの国境沿いで牛の放牧をしていました。「時々、牛がミャンマー側に行ってしまうので、連れ戻しに行かなければなりません」と、彼は言います。「地雷が仕掛けられているとは知りませんでした。地雷を踏んだら爆発しました。意識を失いました。そして次に目を覚ますと、左足がありませんでした。今でも痛みがあります」。

2022年、対人地雷禁止条約(オタワ条約)が採択されて25年が経ちます。今も対人地雷を積極的に使用している国は2カ国だけ、ロシアとミャンマーです。先週発表された、地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)の年次報告書『ランドマインモニターレポート2022』によると、ミャンマー国軍は1999年から地雷を使用してきましたが、2021年2月のクーデター以降、「軍政」による新たな使用が急増しています。

報告書では、「軍政」が製造し、国中に敷設した地雷数百個の写真が分析されています。

2021年2月から2022年9月にかけて、ミャンマーでは地雷や爆発性残存物で民間人157人が死亡し、395人が負傷しました。死傷者の約3分の1は子どもです。国軍は、住宅、村の小道、教会の敷地、農場に地雷を設置しています。また、国軍部隊は、地雷検知役として部隊の前を歩く「人間の盾」の役割を民間人に強要し続けてもいるのです。

8月、ラカイン州全土に戦火が広まるなか、民族武装組織の1つ「アラカン軍」(AA)は、国軍が製造した地雷数十個を発見しました。バングラデシュとミャンマーの国境沿いには、タンチャンギャさんのような民間人が薪を拾い、畑を耕し、牛を放牧する場所に地雷が設置されており、死傷者が増えています。目撃者によると、最近も地雷が爆発したが、その数日前には、国境検問所付近でミャンマー国軍部隊が活動していたとのことです。

ミャンマー国軍は、長年にわたり、少数民族地域での武力紛争で、戦争犯罪に相当する数々の重大な国際人道法違反を行っています。今回のクーデター以降、「軍政」当局は人命救助の取り組みを妨害し、医療従事者に地雷負傷者の治療をしないよう命じています。ミャンマー全土には140万の国内避難民がいますが、地雷のリスクは帰還の妨げになりかねないのです。

前出の報告書では、非国家武装組織による地雷使用も指摘されています。

1997年の対人地雷禁止条約は、対人地雷の使用を禁止するとともに、敷設された地雷の除去、在庫の破棄、被害者救済を義務づけています。ミャンマーは条約締約国ではないものの、「軍政」による使用が国際法違反であることに変わりはありません。対人地雷は、民間人と戦闘員の区別を行いません。対人地雷はいったん敷設されると、長年にわたり、人を殺傷します。

ジュネーブで今週開催される第20回締約国会議で、各国政府はミャンマーによる対人地雷使用を非難するとともに、この破壊的な被害をもたらす兵器の使用を支える収入を「軍政」に与えないようにする努力を強化すべきです。

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