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日本:外務大臣は外遊で人権問題を取り上げるべき

パプアニューギニア・カンボジア・ラオス・ミャンマーを訪問

Japanese Foreign Minister Toshimitsu Motegi meets the media in Tokyo on May 28, 2020.  © 2020 Kyodo via AP Images

(東京)―日本の茂木敏充外務大臣は来たる外遊で、各国の人権問題を強く指摘すべきだ、とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日、同大臣宛の書簡内で述べた。茂木氏は2020年8月20日〜25日にパプアニューギニア、カンボジア、ラオス、ミャンマーを訪問する。

パプアニューギニアでは、女性および子どもに対する暴力が蔓延。一党支配が続くカンボジアは、活動家やジャーナリスト、野党支持者に対する弾圧を強めている。 ラオスは増加する強制失踪への対応を怠っており、ミャンマーは国際司法裁判所(ICJ)でジェノサイド罪の申立てに直面している。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局局長ブラッド・アダムズは、「茂木外務大臣は今回の慌ただしい外遊で、自国に人権上の危機を抱える4カ国を網羅することになる」と指摘。「各国との二国間関係における日本政府の人権保護への信頼は危うい。茂木氏は訪問各国で人権上の懸念を公に提起すべきだ。」

茂木大臣は、8月21日にパプアニューギニアのポートモレスビーで、女性と子どもに対する暴力と警察の残虐行為をめぐる説明責任の欠如に対処するよう、同国政府に要請する必要がある。 また、翌22日のカンボジアでは、組合指導者や土地の権利活動家、人権活動家、ジャーナリスト、野党支持者に対する嫌がらせ・威嚇・襲撃・恣意的逮捕に関し、重大な懸念を表明すべきだ。

23日のラオスで茂木大臣が提起すべき問題は、政治活動家の強制失踪および不当な投獄、ならびに検閲およびメディア統制だ。 24日と25日のミャンマーでは、少数民族ロヒンギャ・ムスリムに対する体系的な迫害および暴力、ならびに言論の自由と平和的な抗議を弾圧するために適用されている法律・規制について、強く政府に是正を働きかける必要がある。

外務大臣がミャンマーを訪れる8月25日は、軍がラカイン州のロヒンギャ・ムスリムに対し、大規模殺害・性暴力・広範にわたる放火といった残虐行為を犯した作戦から3年目の記念日となる。2017年8月25日〜2018年初めに、74万5,000人超の人びとが主に隣国バングラデシュに脱出した。

加えて、日本政府はミャンマー警察に対する1億円(95万米ドル)の無償資金協力を直ちに取り消すべきだ。同警察は処罰されることもなく重大な人権侵害に関与しているとされている。

アダムズ局長は、「今回の外遊で茂木外務大臣は、日本政府の資金・開発協力には人権保護へのコミットメントおよび行動が強く求められる旨を、各国政府に念押しすべきだ」と指摘する。「そうして初めて、日本は2019年の『人権への取組および誓約』を果たしていると体よく主張することができる。」

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