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ウズベキスタン:政治犯に対する刑務所での虐待止めよ

ウズベキスタン政府はユスフ・ジュマエフ氏を速やかに釈放すべき

(ニューヨーク)- ウズベキスタン当局は、政府を批判しただけで刑務所送りとなったユスフ・ジュマエフ(Yusuf Jumaev)氏に対する刑務所での虐待疑惑を迅速に調査するとともに、彼を刑務所から早急に釈放すべきである、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。

ジュマエフ氏の家族の証言によると、ジュマエフ氏は2009年6月中旬、何の説明もされないままにヤスリーク刑務所の独房にて8日間拘束された。今月初めにジェマエフ氏と面会した彼の娘は、彼は健康が著しく悪化した後、ようやく通常の監房に戻されたと述べた。その独房は、刑務所の厨房の真上にあるため非常に暑い。

ジェマエフ氏の家族は、刑務所の監視員が拘留中に彼の肩に熱い電気ポットを置き、何度もやけどをさせたと話した。彼は、トイレの使用も許されず、8日間独房から出ることを全く許されなかった。彼はまた、独房に拘禁されていた8日間のうち少なくとも2日間は、食料も水も与えられなかった。

「ユスフ・ジャマエフ氏が苦しんだ虐待は、ウズベキスタンで拘束された政治犯がこれまでも経験した類の虐待で、言語道断である。」、とヒューマン・ライツ・ウォッチのヨーロッパ・中央アジアディレクターホリー・カートナーは述べた。「彼を拘束する理由は、最初からなかった。ウズベキスタン政府は、ジュマエフ氏をすぐに解放するとともに、彼に対する虐待の責任を追及すべきである。」

ジェマエフ氏は、詩人であると同時に、2007年12月の大統領選挙で、イスラム・カリモフ大統領に辞任を要求した活動家でもある。彼は、2008年4月15日にブクハラ地方裁判所において、大統領への侮辱と、逮捕拒否を理由に、5年間の懲役刑を言い渡された。

ウズベキスタン当局は、政治的な動機で、政府に批判的な活動家や人権活動家を多数拘束中であり、ジェマエフ氏はその1人である。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ウズベキスタン政府に対し、法の根拠なく収監された人権活動家、ジャーナリスト、政府に批判的な政治グループのメンバー、そして政治的動機で逮捕されたその他の活動家を、即座にそして無条件で解放することを要求している。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ジュマエフ氏の家族から聞き取り調査を行なった。家族は、ジュマエフ氏が2008年7月にヤシリーク刑務所に移送されて以来、監視員たちの嫌がらせや侮辱、暴力に日常的にさらされてきた、と述べた。ジュマエフ氏の娘のフェルーザ・ジェルマエワ(Feruza Jumaeva)がヒューマン・ライツ・ウォッチに話したところによると、2009年7月2日に家族が刑務所を訪問した際、ジェルマエフ氏は痩せ細って青白く、暴力の痕があることを明らかにした。彼は支えなしに独立では歩けない状態で、2人の刑務官に腕を支えられながら面会室に連れられてきた、ということだった。

ジュマエフ氏は、面会に来た娘に対し、刑務官たちから息の根がとまるまで拷問するから自殺した方がましだったろうといわれた、と語った。彼の話によると、刑務官は彼を殺す命令は「上から」来た、と伝えたようである。

父親との面会中、刑務官が会話を何度も遮ぎり、自由に話すことも許されていなかった、と娘はヒューマン・ライツ・ウォッチに述べた。父親と会って約20分後、ジュマエフ氏が刑務所内での虐待を娘に説明していたとき、刑務官が突然面会を終了させた。ジェマエフ氏は、1ヶ月に1度、家族との面会を2時間許されていることになっているが、刑務官たちが、予定された面会を拒否したり、面会時間を短縮したりすることがしばしばある、と家族はヒューマン・ライツ・ウォッチに述べた。

ペナルコロニー(kolonia poseleniye:最小の警備の刑務所のこと)に収容すると明記した当初の判決にもかかわらず、2008年7月1日にヤスリーク刑務所に移送される前にも、ジェマエフ氏はブクハラ県第3刑務所、タシュケント市立刑務所、そしてカラカルパクスタンにあるクングヒロット刑務所など、いくつのかの刑務所を点々とさせられた。ウズベキスタンの法律では、ジェマエフ氏のより高警備刑務所への移動が、合法的になされるためには、裁判所の決定が必要である。そうした裁判が行われたとの情報はない。

ヤスリーク刑務所は過酷な収容環境で悪名高く、拷問に関する国連特別報告者が2003年にウズベキスタンを訪問した際、国連特別報告書は、同刑務所を閉鎖すべきだと勧告した。ウズベキスタンの人権活動家の間では、「帰らずの場所」として知られている。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ヤスリーク刑務所でおきた虐待や拷問について数多くを明らかにし報告してきた。その中には、過激な宗教活動に関する罪状により、延長刑期をつとめていた最中の2人の男性が不審死した事件も含まれている。

「ヤスリーク刑務所での人権侵害は、改革により改善可能な域を超えている」とカートナーは述べた。「ウズベキスタン当局は、国連の特別報告者の勧告のとおり、ヤスリーク刑務所を閉鎖すべきである。」

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