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日本:数十年前の死刑判決の再審開始へ

「人質司法制度」「死刑制度」の残酷さを浮き彫りに

日本の裁判所は、1966年に一家4人殺害の罪で1968年に死刑判決を受けた元プロボクサー、袴田巌氏の事件の再審を開く。袴田氏は2014年に釈放されている。 © 2023 The Yomiuri Shimbun/AP Images

今月、日本の検察庁は、1966年8月に逮捕され、一家4人殺害の罪で死刑判決を受けた87歳の元プロボクサー、袴田巌さんの再審開始を決定した東京高等裁判所に対し、控訴しないことを明らかにした。日本で死刑事件の再審が行われるのは今回で5回目だ。今までの事件では、被告は全員無罪となった。

袴田さんのケースは、日本の「人質司法制度」が導いた数えきれない例の一つである。人質司法制度においては、検察は容疑者から自白を得るために、判決前に長期間、時には数カ月から数年にわたり、容疑者を恣意的に拘束することが頻繁にある。袴田さんの弁護団によると、1966年、警察は袴田さんに対して1日平均12時間、長い場合には約17時間もの取り調べを行ったという。日本の法律で認められているため、袴田さんは、弁護士の立ち合いがない状態で取り調べを受け、水分補給やトイレ休憩も与えられなかった。袴田さんは、体験を振り返った手紙の中で、「殺しても病気で死んだと報告すればそれまでだ」と警察に脅され、警棒で殴られたと述べた。

近年、日本の警察が取り調べ中に容疑者に暴行を加えることは稀である。しかし、起訴前の勾留期間中、当局は依然として自白を強要している。容疑者は起訴される前に保釈を申請することができず、裁判所では自白しない者に対して、裁判中に保釈を拒否することがよく行われている。被拘禁者の多くは警察署内の留置場に収容され、食事やトイレなども常に監視されている。裁判所では、しばしば通信制限が行われ、被告人が弁護士以外の人と会ったり、電話したり、手紙を書いたりすることも禁じられている。日本の裁判では99%以上が有罪判決になる。

袴田さんは何十年も無実を訴え続けてきた。もし袴田さんが無罪となれば、彼の事件は、日本の司法制度の欠陥だけでなく、死刑が残酷かつ不可逆的で取り返しのつかない刑罰であり、廃止されるべきであると、改めて明確に示すことになるだろう。活動家たちは、死刑囚に死刑が執行されることが失効日当日にしか知らされないことに長い間懸念を示してきた。袴田さんは何年も、いつ処刑されるかわからない恐怖の中で生きてきた。

日本政府は、「人質司法制度」と死刑制度を廃止し、早急に司法制度を改革すべきである。

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