(東京)―日本の菅義偉新首相は今回の初外遊で、ベトナムおよびインドネシア政府に対し、悪化している人権状況を改善するよう強く働きかけるべきだ、とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。菅首相は、2020年10月18日〜21日に首相として初めてベトナムとインドネシアを訪問する。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは10月16日付の書簡で、表現・平和的な集会・移動の自由をはじめとする市民的および政治的権利の広範な侵害について、ベトナム政府に対し公的・私的に懸念を表明するよう菅首相に要請した。また、インドネシアに関しても、信教・報道の自由や性的指向・性自認をめぐる権利、先住民の権利に対する締め付けを首相は指摘し、批判すべきだ。
「日本はベトナムおよびインドネシアの主要な経済開発支援国であることをてこにして、両国に対し人権侵害をやめるよう強く働きかけるべきだ」とヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局局長代理フィル・ロバートソンは述べる。「菅首相は、日本が掲げる海外の人権を促進する政策宣言に真剣に取り組んでいることを公的および私的に示す必要がある。」
ベトナムで政府または与党共産党を批判する市民は、警察の嫌がらせ、移動の制限、身体的暴行、恣意的な逮捕や拘禁、投獄の対象となる。政治活動家たちが弁護人との接見も許されないまま数カ月間拘禁されたり、いじめ的な尋問を受けることが常態化している。ベトナム当局はまた、政府寄りではない独立系ウェブサイトやソーシャルメディアページへのアクセスを遮断し、かつソーシャルメディア事業者や電気通信事業者に対して、政府や与党に批判的と思われるコンテンツを削除するよう圧力をかけている。
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領の下で拡大している権利侵害には、信教および信仰の自由がある。2020年には少なくとも38人が冒とく罪で逮捕され、モスク内でコーランを引き裂いたとして3年の刑を宣告された男性もこれに含まれる。
「菅首相は歴代首相がこれまで取ってこなかった方法で、人権を日本外交政策の礎にすえるべきだ」とロバートソン局長代理は述べる。「日本の指導者としての最初の外遊は、人権侵害に終止符を打ち、人権を保護するようベトナムおよびインドネシアの指導者に強く働きかける絶好の機会だ。」
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ニュースリリース
日本:ベトナムとインドネシアでの初首脳会談で権利問題を取り上げよ
菅首相は日本の有利な立場を活用し改革を提案すべき
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