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「頭髪指導」論争 校則の有害性が浮き彫りに

LGBT生徒など学生を危険にさらす 外見規制の校則 

High school students wearing face masks walk in Tokyo, January 16, 2021.  © 2021 The Yomiuri Shimbun via AP Images 

今年2月に大阪地裁で判決が言い渡された頭髪校則訴訟に注目が集まりました。この裁判は、児童生徒に対する社会からの同調圧力の危険性を浮き彫りにしています。多くの日本の学校には、髪の色や服装など外見を事細かに定めた校則があり、従わない生徒には厳しい指導がされかねません。外見をある枠に合わせよというこうした圧力に、日本のレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)の児童生徒も長い間さらされてきました。

大阪地方裁判所は2021年2月16日、地毛が茶色い元女子生徒の賠償請求を認めました。高校では髪の毛の色は黒い子どもがほとんどで、この元女生徒も地毛の茶髪を黒染めしていたこともありましたが、この元女子生徒は自分の髪が茶色いのは生来のものと説明したにもかかわらず、学校側は毛根を検査し、染色していると決めつけて、髪の染色や脱色を禁止する校則に違反しているとして繰り返し指導されました。そして学校側は教室から元女生徒の机を教室から撤去し、名簿から氏名を削除したのです。元女生徒は33万円の賠償金を勝ち取った一方、裁判所は頭髪に関する校則は合法という判断を下しました。

頭髪は文化的な目印(マーカー)であり、人種、性別、ジェンダーなどとさまざまに結びついています。頭髪に規制を課すことは、個人に現実の悪影響をもたらしうるのです。

南アフリカでは、南アフリカ人権委員会が人種に関連の頭髪論争に介入しました。そして学校で認められる髪型、適切な広告、美容師の訓練要件などを判示しました。インドネシアでは、現地語で「ワリア」と呼ばれるトランスジェンダー女性は昔から髪を伸ばすなどしていますが、トランスジェンダーを敵視する政府当局から狙われています。マレーシア人活動家のニーシャ・アユブさんは、トランスジェンダーであるがゆえに投獄された経験についてこう語っています。「あなたたちは私の髪を切ることはできる。でも、トランスジェンダーとしての私のアイデンティティを奪うことはできない。」

大阪の訴訟には、日本の学校に通うLGBTの若者たちの苦しさが重なります。LGBT生徒たちはものすごい同調圧力にさらされると同時に、周りと違うという理由の社会的排除に直面しています。文部科学省の「いじめの防止等のための基本的な方針」は2017年の改正で、LGBTの児童生徒のいじめを認識し対応を求めるようになりました。しかし教育指導要領についても見直し、LGBTの児童生徒の経験をよりしっかり反映させる必要があります。文科省が2015年に出した通知(「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」)を受けて、制服についてかなり柔軟な対応を取る学校もでてきました。トランスジェンダーの児童生徒にとっては朗報です。

周りに合わせるように強いる同調圧力には代償が伴います。一般的でない頭髪の色であれ、制服の決まりであれ、個人の希望であれ、日本の学校は違いに対してもっと柔軟に受け入れる対応をとるべきです。

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