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Soundbites from the Survey:
“A Korean man took pictures of me…and posted them on porn sites.”
“My face was attached to a naked body of a woman that I don’t know.”
“Someone impersonated me.”
“He masqueraded as a friend.”
“My boyfriend.”
“An acquaintance.”
“A stranger.”
SOUNDBITE:
My boss put a spycam in my room.
NARRATION:
Ye-rin is one of tens of thousands of women in South Korea, who have been the target of digital sex crimes. Digital sex crimes are a form of gender-based violence. They can be images that are taken non-consensually with hidden cameras and sometimes shared, taken with consent but shared non-consensually, or images that have been manipulated or faked.
SOUNDBITE:
I was working pleasantly for five or six years in a place and had good relations. But then even though my boss was married he started flirting with me…He gave me a gift. It was a very small clock…The light annoyed me, so I kept moving it. But every time I moved the clock, he called me…I found it strange, so I googled the clock and found it was a special kind.
NARRATION:
Many of the women targeted in digital sex crimes are filmed with hidden cameras, or “spycams.” These tiny cameras are used to capture images in spaces like toilets and changing rooms, which are then often shared and even sold online, where they become difficult to track and erase.
SOUNDBITE:
The clock streamed to a linked smartphone… It had been streaming for a month or a month and a half… … After I googled it, I called him. I said, “This is not an ordinary clock,” and he confessed. He said, “Is that the thing you stayed up all night to google?” That means he was watching me… I filed a criminal case. It took four hours just for the interrogation… For example, I was asked, “Have you ever done anything that the man shouldn’t see?” It’s kind of very private questions… Victims of that kind of case are not informed when a hearing or ruling will happen, and you are not invited. I kept checking the website for the court date and I went every time… No one ever talked to me about what would happen with the case, the potential sentence, etcetera.
NARRATION:
A series of protests against government inaction on digital sex crimes in 2018 helped drive some reforms to provide services to survivors and hold perpetrators accountable. But the measures didn’t go far enough. Police often turn survivors away. Prosecutors often drop cases. Judges frequently let perpetrators off with a fine. And the government is not doing enough to support survivors or change misogynistic attitudes that encourage digital sex crimes.
SOUNDBITE:
I cried all night. I couldn’t sleep. I took medicine to calm myself. What happened took place in my own room—so sometimes, in my daily life, I feel terrified without reason.
NARRATION:
The South Korean government should listen to survivors of digital sex crimes …
Soundbites from the Survey:
“I worry about hidden cameras whenever I use public restrooms.”
“I don’t feel free to get around.”
“I have insomnia.”
“Anxiety”
“Depression”
“Rage”
“I wanted to die.”
“I can’t go out with a Korean man.”
“I’m leaving the country.”
NARRATION:
The government should take immediate action to increase access to services for survivors and provide them with compensation and justice. The government should also do more to prevent these crimes, by teaching children and adults about gender equality, consent, and how to be safe and empowered online.
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(ソウル)韓国で女性や少女の性的画像が本人の同意なしに広くインターネットに掲載されている事件が後を絶たず、被害者に甚大な打撃を与えている、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。政府はこうしたデジタル性犯罪を防ぎ、それに対応するためにもっと行動を取るべきである。
94ページにわたる報告書『私の人生はあなたのポルノではない 韓国におけるデジタル性犯罪(“My Life is Not Your Porn”: Digital Sex Crimes in South Korea)』は、韓国で法改正があったにもかかわらず、デジタル性犯罪−−インターネット上でテクノロジーを使って行われる性暴力−−の標的にされた女性や少女が、刑事裁判及び民事上の救済を得るにあたり、大変な困難に直面することを明らかにした。韓国がジェンダー不平等社会であることもこうした問題の背景である。デジタル性犯罪とは、本人の許可なく取得され、合意なく共有されたデジタル映像に関する犯罪で(被害者のほとんどが女性と少女)、映像は加工、偽造されていることもある。
「刑事法制度の中にいる役人たちは−−大半が男性だが−−デジタル性犯罪が非常に深刻な犯罪であることをただ単に理解できないか、認めないことが多いようである」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチの女性の権利に関する暫定共同局長で本報告書を執筆したヘザー・バーは述べた。「同意なく取得された映像を1つでも見た人は誰でもスクリーンショットを撮ることができ、いつでも、どのウェブサイトでも、そのスクリーンショットを共有することができる。画像はそこから抑えようもなく広がっていく可能性がある。被害者は死ぬまでこの犯罪被害は続くが、司法による被害者救済をほとんどなされていない」
本報告書はデジタル性犯罪の被害者や専門家など38人に対するインタビューと、被害者を対象としたオンライン調査の結果に基づいて作成された。
2008年には、韓国の性犯罪訴追事件のうち違法撮影に関するものは4パーセント未満だった。2017年には違法撮影が関係する事件は585件から11倍の6,615件に増えており、性犯罪訴追事件の20パーセントを占めていた。当初、デジタル性犯罪への一般市民の注目は主に極小カメラ(「スパイカム」)を使ったトイレ、更衣室、ホテルのような場所での隠し撮りに向けられていた。カメラ設置者が映像を売って金を稼ぐこともあった。
被害者の女性や少女は公正な裁きを受けるのに高い壁に直面している。警察は被害届を受理しないことが多い。そして、被害を過小評価し、被害者の落ち度だとし、問題の映像を無神経に扱い、不適切な尋問を行うなど、被害者を傷つけている。手続きが進む場合でも、事件情報の入手や裁判官に自分の意見を聞いてもらうことに、被害者たちは苦労している。
2019年に検察が起訴猶予にした割合は、殺人事件で27.7パーセント、強盗事件で19パーセントだったのに対し、デジタル性犯罪事件では43.5パーセントだった。裁判官も軽い刑を宣告することが多い。2020年には、親密な関係にある相手の映像を同意なしに撮影した罪で有罪となった者の79パーセントに執行猶予付きの刑か罰金刑、またはその両方の刑が言い渡された。52パーセントは執行猶予付きの刑を言い渡されただけだった。女性の警察官、検察官、裁判官が少ないことも、問題をより深刻にしている要因だ。
犯人側に画像を削除させたり被害者に損害賠償を支払わせたりする判決を得るなどの民事上の救済を得るのも容易ではない。刑事事件が続いている場合、民事訴訟で問題となる事実関係が刑事裁判の対象となっている場合、その刑事事件が終わるまで民事訴訟を遅らせるのが一般的である。これは、被害者が支援をもっとも必要とする時期に支援を求めることができないことを意味する。
被害者は、刑事裁判の判決がでる頃には−−さらに複数の上訴が数年かけて行われることもある−−あまりに疲労困憊しトラウマを負っており、民事裁判で有利となる事実が刑事裁判で認定されていても、民事裁判を新たに始められない場合が多い。民事訴訟を開始するには被害者が氏名と住所を記載する必要があり、その情報が加害者を含めて一般に公開されるため、ほとんどの被害者は不安から訴訟を始めようとしない。
「韓国ではデジタル性犯罪があまりにも頻発しており、不安がまん延しているので、すべての女性と少女の生活の質に悪影響を与えている」と前出のバーは述べた。「女性や少女たちは、公衆トイレを使うのを避け、公共の場所や自宅にさえもカメラが隠されていないか不安になると話す。驚くほど多くのデジタル性犯罪被害者が自殺を考えたと告白した」
韓国の政府と国会は近年、2018年に活動家たちが行った大規模デモなどをうけて、法改正を行い、デジタル性犯罪被害者にサービスを提供するためにいくつか重要な措置を取った。しかしデジタル性犯罪を助長し常態化させている要因であるジェンダー不平等の深刻な構造的問題に政府が取り組んでいないことも一因となり、これらの措置では不十分なままである。2021年の世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で韓国は156カ国中102位で、経済への参加とその機会については先進経済国の中で最大のギャップがあった。
韓国の女性は男性に比べて4倍の無酬労働を行っているが、男女間の賃金格差は32.5パーセントである。性暴力は広範に見られ、2017年に2,000人の韓国人男性を対象に行われた調査では回答者の80パーセント近くが親密な関係にあるパートナーに対して暴力的行為をしたことがあると認めた。世界全体では3人に1人の女性がそのような暴力をうけていると推定されている。2015年に発表された国の性教育指導要領はジェンダーに関する有害な固定観念を長続きさせるとして広く批判された。
「韓国のデジタル性犯罪の根本的な原因は、女性と少女に対する有害な考え方や有害な行為が社会で広く受け入れられていることで、政府は緊急に対処するする必要がある」と前出のバーは述べた。「政府は法改正を行ったとはいえ、女性と男性が平等でありミソジニー(女性蔑視)は容認できないという明確で力強いメッセージを送っていない」