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国連人権理事会はフィリピンについて行動するべき

60以上の団体が責任追及を求める

Delegates sit at the opening of the 41th session of the Human Rights Council, at the European headquarters of the United Nations in Geneva, Switzerland, June 24, 2019. © 2019 Magali Girardin/Keystone via AP

(ジュネーブ)―国連人権理事会フィリピンでの超法規的処刑などの人権侵害について独立した国際調査団を設けるべきである、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは世界中の数十の人権団体や市民社会団体とともに述べた。国連人権理事会は2020年9月14日から第45会期を開く予定である。

62の人権団体と市民社会団体が8月27日、国連人権理事会の加盟国とオブザーバー国に書簡を送り、フィリピンで「継続している超法規的処刑その他の重大な人権侵害について引き続き深刻な懸念を持っている」と表明した。フィリピンからも同国の人権や市民社会の運動の大半を代表する30以上の団体が書簡に署名した。

「フィリピン内外の数十の団体がフィリピンについての調査を求めていることは重大であり、国連人権理事会の加盟諸国は無視すべきではない」とヒューマン・ライツ・ウォッチのジュネーブ副局長、レイラ・マターは述べた。「フィリピンでは超法規的処刑などの重大な人権侵害が依然として続いており、この書簡に賛同した諸団体はもうたくさんだと言っている。」

書簡は4ページにわたり、6ページもの付録と合わせて「フィリピンで『麻薬撲滅戦争』の一環で行われている超法規的処刑その他の重大な人権侵害についての深刻な懸念」について概説する内容。それらの人権侵害は「暴力の扇動や差別について、政府の最上層部がほぼ完全な免責状態にある結果、拍車がかかっている」と書簡は述べる。署名団体は人権理事会に対し、国連人権高等弁務官事務所がフィリピンの人権状況について最近出した報告書に「毅然とした」対応をするよう求めた。

署名団体は書簡で、ドゥテルテ政権が責任を免れようとしており、麻薬犯罪容疑者、活動家、弁護士、ジャーナリスト、教会指導者、組合指導者、先住民コミュニティや農民指導者たちに対する攻撃をそそのかしているとして批判した。書簡は、8月17日に人権活動家のザラ・アルヴァレスが、また8月10日に農民指導者のランドール・エカニスがそれぞれ無残に殺されたことにも言及している。

国連人権高等弁務官事務所が6月に出した報告書によれば、2016年にドゥテルテが就任して以来「麻薬撲滅戦争」で少なくとも8,663人が殺された。フィリピンの複数の人権監視団体とヒューマン・ライツ・ウォッチは、実際の犠牲者数は3倍にも上る可能性があると考えている。訴追が進んでいる事件はわずかで、国連人権高等弁務官事務所は、警察が関与した事件のうち有罪判決が出されたのは一件だけだと指摘している。

6月に開かれた国連人権理事会の第44会期のインタラクティブ・ダイアログ(双方向対話)の場で、フィリピン政府はこれらの殺害に政府の勢力が関与しているという指摘を否定し、人権の擁護と尊重のためにできることはすべてしていると主張した。

このインタラクティブ・ダイアログの場でフィリピンのメナルド・ゲバラ司法相は、フィリピン政府が調査パネルを設立しており、この調査パネルが警官による6,000件近くの殺害事件を調査すると述べた。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、この思いがけない発表は理事会加盟国がさらなる行動を取らないようにするための計略と考えている。

「ドゥテルテ政権は、フィリピンが注目を免れ国連人権理事会の議題に載らないようにするためにまた全力を挙げている」と前出のマターは述べた。「各国はフィリピン政府の動きに惑わされることなく、フィリピンの人権状況は改善していないと認定した上で調査開始を定める強力な決議を採択し、もって、責任追及を求めるべきである。」

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