(ラングーン)―ミャンマー政府当局は、2016年12月24日から恣意的に拘禁されているカチン民族バプティスト教会指導者2人を直ちに無条件釈放すべきであると、人権NGO「フォルティファイ・ライツ」とヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べた。ドゥムドーノーンラット氏とランジョーガムセン氏は2016年末、シャン州北部のカトリック教会1カ所を大きく破壊したミャンマー国軍のものと見られる空爆について、現地を取材するジャーナリストの道案内をしたとして刑事訴追されている。

2017年7月26日、ラショー郡裁判所はドゥムドーノーンラット氏とランジョーガムセン氏について公判を開く予定。起訴された複数の容疑で有罪とされると、両氏にはそれぞれ最大で8年と6年の刑が宣告される可能性がある。

「ミャンマー国軍はカチン州とシャン州の民間人を脅迫・抑圧しようと躍起になっている」と、フォルティファイ・ライツのマシュー・スミス代表は述べた。「今回の事案も、国軍の不法行為を暴いた人びとを標的としたミャンマー当局の動きの1つだ。しかしまだ間に合う。ただちに起訴を取りやめ、2人を釈放すべきだ。」

カチン・バプティスト代表者会議(KBC)の副牧師ドゥムドーノーンラット氏(67)と若手指導者ランジョーガムセン氏(35)は、イラワディ誌が、ミャンマー国軍の空爆で破壊されたとされるモンコーの聖フランシスコ・ハビエル・カトリック教会の被害状況を収めた写真を掲載した翌日に、国軍により拘束された。12月上旬、両氏は紛争地域であるシャン州ムセ郡で、教会など民間の建造物の損害を取材する複数のジャーナリストの案内役を務めた。カチン・ニュース・グループ(KNG)は2016年12月15日付の記事で教会の被害写真1枚をまず掲載した。国軍は公式発表で教会に被害を与えたことを否定しており、反体制派の仕業だと主張している。

ミャンマー国軍は2人を数週間拘束した後、2016年12月25日にシャン州北部のナンパカ郡にあるカラヤ第123陸軍基地に移送した。警察への身柄引き渡しに先立ち、2人は民族武装組織・カチン独立軍(KIA)の支持者であるとの供述書に署名した。2017年2月7日、被告側代理人は強制だったと主張する「自供」に基づき、2人はムセ郡ミョーマ警察署のエイミン署長により非合法結社法17条(1)違反で起訴された。警察はまた、無登録オートバイを所持していたとして、輸出入法(2012年)第8条違反でも起訴した。

2017年3月20日、ミョーマ警察署は刑法第500条の名誉毀損罪でドゥムドーノーンラット氏を起訴した。容疑は2016年12月1日にボイス・オブ・アメリカ(VOA)とのインタビューで、民族武装組織と戦闘中のミャンマー国軍が民間人を空爆していると主張したことだ。

一連の起訴は、表現の自由と結社の自由という基本的人権を侵すものだと、フォルティファイ・ライツとヒューマン・ライツ・ウォッチは指摘した。ドゥムドーノーンラット氏とランジョーガムセン氏に有罪判決が下った場合、非合法結社法違反では最大3年、輸出入法違反では同3年の刑が科せられる。ドゥムドーノーンラット氏は、刑法第500条違反で有罪とされれば2年刑期が追加される。

「このバプティスト教会指導者2人は、教会爆撃というビルマ国軍の軍事行動を明らかにしようと動いたことで狙い撃ちにされている」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理フィル・ロバートソンは指摘する。「戦争の惨事に終止符を打つためには、人権侵害とされる出来事の情報が人びとに届く必要がある。2人の訴追で、政府は国内のみならず全世界にも誤ったメッセージを発している。」

ミャンマー当局はこのほかにもカチン民族の数人を訴追し、裁判所は有罪判決を下している。これは平和的集会と信教の自由への権利を侵すものだ。2017年7月18日、パカン郡裁判所はラマウンラタウン氏(53)とラティンソーバウム氏(65)に対し、平和的集会および平和的行進法(2016年)第19条違反で有罪判決を下した。カチン州での武力紛争再開6周年を追悼する大規模礼拝の実施について、警察署長への直接連絡を行わなかったことが理由とされた。裁判所は2人に罰金3万チャット(2,500円)を言い渡した。6月12日、ゾージャット氏(41)とクンサイ氏(68)、ガムアウン氏(43)はミッチーナ群裁判所で類似の有罪判決を受け、罰金3万チャットを言い渡された。

国民民主連盟(NLD)率いるミャンマー政府は、国内法を直ちに改正して、世界人権宣言などに記された国際人権基準に適合させるべきだ。地元当局は裁判が進行していない事案について起訴を取り下げるとともに、基本的権利を暴力によらずに行使する人びとに対し、今後訴追を行わないようにすべきである。

「現状を変える必要がある。国軍はカチン民族の権利を踏みにじっているのに、文民政府はまったく動いていない」と、前出のスミス代表は述べた。「政府と軍は批判を受け入れることを学ぶとともに、基本的権利を保護し、国軍犯罪の不処罰をなくすよう真剣に取り組むべきである。」

Background

In June 2011, armed conflict resumed in Kachin State between the Myanmar military and the Kachin Independence Army, and later spread to northern Shan State. Fighting in these areas increased in 2016. Fortify Rights, Human Rights Watch, and a number of community-based organizations in Myanmar have documented extrajudicial killingstorture, forced labor, rape and other acts of sexual violence, arbitrary detention, attacks on civilians and civilian objects, and pillaging of property by the Myanmar army in Kachin and Shan States since 2011. The Kachin Independence Army has been implicated in the use of child soldiers and anti-personnel land mines.

Myanmar authorities have continued to restrict access to humanitarian assistance by preventing aid groups and human rights monitors from operating freely in Kachin and northern Shan States. This has resulted in avoidable deprivations of food, health care, and other humanitarian provisions for displaced communities.

Lawi Weng, the journalist who wrote the article on the military airstrikes in Mong Ko that appeared in the Irrawaddy on December 23, 2016, is also now in detention and facing charges under the Unlawful Associations Act after the military arrested him and other journalists on June 26 in Namhsan Township, Shan State.