A foreign domestic worker with a child under a billboard in the United Arab Emirates.

© 2006 Abbas/Magnum Photos

もしマグニチュード7.8の巨大地震が襲ったら、その揺れは広い地域で感じられることでしょう。しかし、220万人超が国外で働くネパールで起きた地震のインパクトは、アジアに留まらず、世界中に波及しています。

ネパールは、国外にいる出稼ぎ労働者からの送金が、国内総生産 (GDP)の28.8%を占める国です。これから数週間、そして数ヶ月にわたり、出稼ぎ労働者たちは本国にいる家族へ、現金や物資を必死に届けようとするでしょう。その際なにより必要になるのは、雇用主からの支援ではないでしょうか。

故郷や家族から離れて暮らす出稼ぎ労働者の暮らしは、それだけで十分過酷です。そこに自然災害が襲ったら、パニック状態や無力感に圧倒されてしまうでしょう。ネパール移民たちは、子どもや両親、友人や隣人の安否を必死に確認しようとしています。苦労して稼いだお金で建てた家は無事なのでしょうか?発表される犠牲者数がどんどん増えていくなか、連絡が途絶えたままであることは、さぞかし恐ろしいことでしょう。

ドバイで出会ったネパール移民たちに、私は思いを馳せています。休みは週1日、金曜日だけ。仲間と集まって故郷の話に花を咲かせる唯一の機会です。そして、祖国に送る救援物資を集め、共に祈り、家族や友人と連絡をとろうとするいま、この金曜日の集まりはこれまで以上に重要なものとなるはずです。しかし、一部の家事労働者たちは、この1日の休みさえ許されていません。中には、本国の家族との連絡を制限したり、賃金の支払いを遅らせる、あるいは全く払わない雇用主さえいます。

ネパールからの出稼ぎ労働者の多くは、中東地域で建設業や家事労働に従事しています。中東をはじめとする各地域の雇用主たちには、困難のさなかにあるネパール人労働者への配慮が求められています。家族の安否を確認する時間、電話やインターネットへのアクセス、ネパール大使館に連絡するための助けも必要です。街の中心から離れた場所に住んでいる場合は、送金するために都心に行く交通手段も欠かせません。

よそ見をしている暇はないのです。ネパール移民はこれまで、湾岸諸国のきらびやかなタワーの建設や、数え切れないほど多くの家庭の世話に従事してきました。今こそそんな人びとに感謝の意を示すときです。母国の家族が生活や家を再建するのを労働者たちが支えられるよう、どうか応援してあげてください。