Street traders fleeing a police roundup in Viana, Luanda, September 15, 2013.

© 2013 Coque Mukuta

(ヨハネスブルク)-首都ルアンダでアンゴラ警察は、露天商の街頭からの「排除活動」の際に暴行と恐喝に手を染めている。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、その実態の詳細を本日発表の報告書で明らかにした。

報告書「汚らわしきは排除せよ:アンゴラ警察の露天商への暴力」(全38ページ)は、警察官や政府の検査官(多くは私服警察)が、街頭から露天商強制排除の際に身元も明かさず不正な虐待に手を染めている実態を詳述。露天商の多くは子ども連れの女性たちだ。ヒューマン・ライツ・ウォッチが首都ルアンダで露天商73人に聞き取り調査を行ったところ、人々は警察に商品を押収され、わいろを巻き上げられた上に、投獄すると脅されたり、時に逮捕までされたと実態を詳細に証言した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアフリカ局長代理レスリー・レフコウは「警察が連日のように白昼堂々と露天商に激しい暴行を加え、盗みまで働いているというのに、野放しになっている」と指摘する。「警察が、人権侵害と強盗を行うなどもってのほかだ。」

アンゴラ政府は警察に対し、暴力の即時停止を公式に命じるとともに、「排除活動」は法律をしっかり尊重するプロフェッショナルな警察官に担わせるべきだ。

ルアンダ州知事が2012年10月に街頭からの露天商の強制除去を宣言して以来、警察は取り締りを強化。州政府当局は、露天商向けの新たな市場を建設すると約束している。アンゴラ内戦後、政府はインフォーマルな経済活動を削減する政策をとり続けており、この方針もその一環である。ほかに非正規居住者たちの大規模強制退去も行っている。これら一連の活動は、首都ルアンダの最貧困層を狙ったものとなっている。

一斉検挙のパターンは、警棒を携えた検査官や武装警官が、徒歩か車、またはバイクで露天商たちに近づいてきて、殴りつけて商品を押収し、追い払うというものだ。

露天商たちはヒューマン・ライツ・ウォッチに一斉検挙の際の暴力を詳しく話してくれた。それによると、妊婦でも警棒などで暴行されるのは日常茶飯事で、蹴りや平手打ち、パンチなどの暴行で、腕や足、顔などに青あざや腫れができたという。

「私が商売をしている場所には、赤ん坊をおぶったzungueiras(女性露天商)がたくさんいるの」とある女性(22歳)は言う。「警官とfiscais(政府検査官)がバイクで来て、お金をわたさないと私たちを蹴りつけて、商品を地面に放り投げる。『その小汚い物をどかせ! ここは物を売る場所じゃない』って言ってね。」

こうした暴力を止めようとしたり、調査・告発しようとしたジャーナリストや露天商の家族、通行人などの目撃者たちも、恣意的逮捕や警察による暴行にさらされている。あるヒューマン・ライツ・ウォッチ調査員も今年4月、露天商に聞き取り調査をしていたところ、短期間拘束された。

こうした脅しや嫌がらせは、アンゴラでジャーナリストや人権活動家に対する抑圧が強化されていることの表れでもある。独立系のジャーナリストたちが、身の安全を危険にさらしながらも警察の暴力を取材している。国営メディアは沈黙している。

前出のレフコウ局長代理は、「露天商などに対する人権侵害を明らかにするジャーナリストや人権活動家、そして事態を憂慮する一般市民が報復にさらされている。アンゴラ政府当局はこの事態に即時に対処すべきだ」と述べる。「当局がなすべきは、人権侵害の捜査と責任者の処罰である。」

露天商の大半は、10年前まで続いた内戦で国内避難民となり極貧生活を強いられている人びとだ。内戦後の成長著しい石油経済の恩恵も受けずにきた。大多数は基本的な公共サービスも受けられないまま、法的保護のない非正規居住区で生活し、身分証明書すら所有していない。

レフコウ局長代理は、「経済的・社会的権利の実現は優先課題だとアンゴラ政府は言っている。とすれば、アンゴラの最貧困層を人権侵害から守るべきであって、暴力の標的にするのはもっての他だ」と指摘する。「まずは、貧しい露天商たちに身分証明書を発行し、公共サービスを受けられるようにするべきである。」