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日本政府はイスラエルとパレスチナにおけるさらなる残虐行為を防ぐために行動すべきだ

G7の議長国としてアカウンタビリティを追及すべき

© 2023 Zain Jaafar/AFP via Getty Images

上川陽子外務大臣は11月3日、イスラエルの外相と会談を行い、「今般のハマスによる残虐な殺りく、誘拐等」を非難し「イスラエル国民との連帯の意」を表明した。また、すべての当事者に対し国際法に従うよう呼び掛けた。その後パレスチナの外相とも会談し、「ガザ地区において亡くなられた市民の遺族への追悼の意、負傷者に対するお見舞い」を伝えた上、日本として追加の人道支援を行う姿勢を示した。

このメッセージの温度差は明らかである。確かにハマスなどによる数百人の民間人を含む約1,200人の殺害、また子どもを含む200人以上の誘拐(いずれもイスラエル政府の発表人数)は戦争犯罪であり、これに対する日本政府の非難は正しい。しかし日本政府はイスラエル当局による戦争犯罪も明確に非難するべきだ。これには集団的懲罰にあたる水や電気の遮断、そして人道支援の遮断などが含まれる。ガザの保健所によると11月8日現在、イスラエル軍は軍事作戦を通じて約4,300人の子どもを含む1万1,000人ほどのパスレチナ人を殺害している。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「我々はすべての当事者に国際人道法の順守、また軍事作戦において民間人の保護を常に重視するよう求める」と述べた。イスラエル当局はパレスチナに対し、搾取的な占領を数十年間に渡り展開し、アパルトヘイトや迫害などといった人道に対する罪も犯している。

声明や援助は極めて重要ではあるが、G7(主要7か国)の議長国及び国際刑事裁判所(ICC)の加盟国として、日本政府にはより踏み込んだ対応が求められる。特に戦争犯罪の責任を追及するICCの活動を積極的に支援するべきだ。

ICCの検察局は2021年以来、加盟国であるパレスチナにおける深刻な犯罪の疑惑を調査している。また、10月1日には国連の独立調査委員会がイスラエルとガザにおいて戦争犯罪の「明らかな証拠」があるとし、ICCをはじめとする司法当局にこれを共有すると表明した。

日本政府は、パレスチナをはじめとするICCのグローバルな活動に必要な政治的、外交的、そして財政的なサポートを保障するべきだ。日本政府が掲げる「人権外交」を順守し、一貫としてこの方針を守ることが極めて重要である。

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