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国連安全保障理事会:紛争の巻き添えとなった女性たちの権利 前進

性暴力の終焉に向けた国連の活動の拠点となるポスト新設

(ニューヨーク)武力紛争下で世界中の女性が受けている危害を解決するための上級調整官のポストを創設する国連安全保障理事会決議が本日採択される。新しいこの上級調整官のポストは、武力紛争下の女性の保護のための国連のより一貫した活動を実現することにむけた、重要な前進である、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。

国連安全保障理事会が、平和と安全の問題が女性にもたらす影響について包括的に取り組むと宣言したのは9年前のこと。今回創設される上級調整官は、まずは、武力紛争の途中及び紛争後の性暴力の終焉に向け重点的に取り組む予定。

「国連が議論に何年も費やしている間に、膨大な数の少女や女性が辱めをうけ、身体を傷つけられ、命を失ってしまった」とヒューマン・ライツ・ウォッチの女性の権利プログラムのアドボケート、マリアンヌ・モルマンは述べた。「国連が戦時における性暴力を防ぐために迅速かつ首尾一貫した活動を行う組織となるよう、この新しい上級調整官がリーダーシップを発揮することを望んでいる。」

本安保理決議は、ヒラリー・クリントン米国国務長官が議長を務める審議で採択予定。本決議は、国連の国別チームや平和維持活動が性暴力問題を解決するのを支援する専門家たちのシステム(上級調整官と協力して活動する)を構築するもの。

また、この決議は、国連事務総長に対し、国連が行っている性的暴力への対応がまだ不十分な点を緊急に分析することを要請。問題点に対し、安保理が対応するためである。これまでの問題点として、たとえば、国連ミッションや国連本部レベルでの性的暴力やジェンダー問題に関する専門性の不足や、和平協議にもっと女性が参加することに対するサポートの弱さなどが挙げられる。

「国連の体制が紛争下での性暴力に対処できないでいるのが、どんどんと明らかになってきた。しかし、驚くべきことに、その原因をしっかりと検討することさえなおざなりにされてきた」とモールマンは述べた。「今回の決議は、国連事務総長に対し、国連システムの中の何が悪いのか、その原因を明確に示すよう求めている。このように問題点を明らかにすることは、問題を解決するため、必ず必要となるステップだ。」

女性・平和・安全に関する安保理決議1325号(2000年)の採択以降、国連安保理は、女性や少女は紛争と紛争後の経験が男性や少年と異なるという認識を持つとともに、武力紛争下における女性の問題は、国際的な平和と安全に関係した問題だとの認識を持つようになった。とりわけ、安保理は、兵士たちが女性や少女を特定の暴力のターゲットとする傾向があること、そして女性が男性と同じ立場で参加する和平プロセスは、より一層包括的なものになると述べている。

ヒューマン・ライツ・ウォッチやその他の団体は、国連安保理のみならず、国連体制全体としても暴力から女性を保護するため対策を十分にとれていないと、繰り返し批判してきた。とりわけ国連平和維持活動は、女性と男性は紛争終結後の交渉や再建プロセスにおいて平等なパートナーであるべきであるとした2000年の安保理決議を実現に移すことを怠ってきた。過去数年間、世界中のNGOが、それらの活動を率先する上級職の設置を求めてきた。

「世界中の女性たちは、女性と少女の保護のために行動をとる権限と責任を有する人を任命するよう求めてきた。国連安全保障理事会は、その声にやっと応えた」とモールマンは述べた。「国連事務総長は、このポストへの任命に向けて断固とした行動をとる必要がある。紛争下におかれた女性たちが、これ以上待たされることはあってはならない。」

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