近隣諸国がとるべき 方策
メディアはこれまでロヒンギャを「忘れられた民族」と呼んできた。こうした言い方はもはや止めるべきだ。ロヒンギャはその存在を否認されている民族なのだ。ロヒンギャがひどい状態に置かれていることは世界的によく知られている。しかし、先進諸国に特定の支援国がなく、戦略的に重視されていない地域の出身であるために、どこもロヒンギャを引き受けようとはしないというのが実態だ。域内諸国や先進諸国は、 20年以上にわたって報告され続けてきたロヒンギャの窮状を直視すべきだ[38]。国際社会は、ロヒンギャに対する恐ろしい出来事が積み重ねられ、迫害が行なわれていることをよく理解している。しかし、それに極力触れないでおこうとしてきた。
ロヒンギャの権利尊重を確保する一義的な責任はビルマにある。だが同時に、東南アジア諸国には難民、庇護希望者、移住労働者および無国籍者の処遇を定めた国際法の諸規定を順守する義務がある。 1951年の難民条約と1967年の難民議定書、1954年と1961年の無国籍条約、2000年の移住労働者条約を、まずは、批准し、履行することから始めることを提案したい[39]。ASEAN諸国がロヒンギャがビルマから大量脱出する大元の原因を放置する限り、ロヒンギャの脱出は続くだろう。国連と関係諸国は、ビルマとASEAN諸国、バングラデシュに対し、ロヒンギャを人道的に扱うよう強く働きかけるべきだ。先進諸国は人道援助の拡大を提案し、当該地域の比較的貧しい政府が、ロヒンギャへの基礎的なニーズを提供するコストを負担しないですむようにすべきだ。また難民としての第三国再定住する際の抽選でロヒンギャを公平に扱うべきだ。
[38]Elaine Pearson, “The Rohingya Test: Asean’s Human Rights Responsibilities,” The Nation, February 27, 2009; Medecins Sans Frontieres, “10 Years for the Rohingya Refugees in Bangladesh: Past, Present and Future,” MSF-Holland, March 2002; Amnesty International, “Myanmar. The Rohingya Minority: Fundamental Rights Denied,” ASA 16/005/2004, May 18, 2004.
[39]UN High Commissioner for Refugees, Selected Reference Materials: Rescue at Sea, Maritime Interception and Stowaways, November 2006, http://www.unhcr.org/refworld/docid/45b8d8b44.html (accessed May 7, 2009).





