Rohingya refugees walk after crossing the Naf River at the Bangladesh-Myanmar border in Palong Khali, near Cox’s Bazar, Bangladesh November 1, 2017.

© 2017 Reuters

最近の歴史的出来事のなかでもきわめて忌むべき民族浄化作戦が始まってから、2ヶ月が経ちました。しかし国連安全保障理事会は、いまだ重い腰を上げようとしません。民間人の保護と予防外交、そして迅速な対応なき大量虐殺を二度と許さないと誓っているにもかかわらず、安保理は受け身の傍観者を決め込んでいます。そんななかでビルマ国内では数百の村落が全焼し、数千人が殺害され、50万人以上のロヒンギャ・ムスリムが命からがら避難しています。

安保理がこれまでになんとか行ったのは、的外れの報道機関向けコメント、数回の非公開会合、アントニオ・グテーレス国連事務総長の拍子抜けするような公式ブリーフィングくらいのものです。グテーレス事務総長が警告を発したのは確かに立派でしたが、理事国からの直接的な行動には結びつきませんでした。今も苦しむ人たちにしてみれば、こうした沈黙は耐えられるものではありません。

大量虐殺の停止または沈静化を促すための明白な手段は、一切用いられていません。安保理は代表団をビルマに送っていませんし、国軍に人権侵害停止を求める決議を採択することもなければ、対象限定型制裁と武器禁輸措置を実施するとの警告も発していません。

危機が長年にわたって予測できたにもかかわらず、安保理は救いがたいほどの無策ぶりでした。そのことは間違いなく、今後じっくり検証されなければなりません。ビルマでの国連のリーダーシップそのものが、初期段階で灯っていた多くの警告ランプを指摘する意見を抹殺してきたと批判されています。そうした対応が必然的に招いた結果は、ボスニアやルワンダ、スリランカなどで国連が犯した、過去の失敗の繰り返しになるでしょう。

安保理がとった恥ずべき沈黙について、最も重い責任を負っているのは中国です。中国政府はビルマ国軍の側に立つと決め込んでいます。ビルマ治安部隊が人道に対する罪を行っていても構わずに、です。中国は、安保理が人権上の懸念事項について触れることにすら反対し続けています。しかし中国に拒否権があり、ロシアが中国の姿勢をおおむね支持しているとしても、それ以外の国は行動を起こすことが出来ますし、そうしなければなりません。

ようやく、英国とフランスが、安保理決議採択に向けた努力を担い始めています。英国はこれまで安保理のビルマ問題への対応をリードしてきましたが、今回は危機対応をめぐって警戒心を過度に高め、対応も遅すぎます。常任理事国のうち米国とフランスは対策にもっと前向きですが、緊急性を欠いています。非常任理事国のうち日本は強い影響力を持っていますが、交渉の前進を促そうとせず、ビルマ側に説明を求めることに、いまだとても後ろ向きです。

理事国のそれぞれが、自国の行動、あるいは無策が、後世の歴史によってどう判断されるかを理解すべきです。

決議案が提出された現在、安保理には遅まきながら変化を起こす時が来ています。大量虐殺にショックを受け、歴史の正しい側に立とうとする国々は、中国、および中国に歩調を合わせる理事国が、決議を骨抜きにすることを許してはなりません。安保理の信頼性とロヒンギャの人びとの将来はいま、とても危うい状況にあるのです。