(ワシントンDC)- 世界銀行の内部監察機関は、同行の融資と、ウズベキスタン政府が組織的に関与する強制労働との関連についての調査は行なわない、との判断を出した。これは驚くべきことだと、コットン・キャンペーン (Cotton Campaign)は本日述べた。

強制労働被害者を代表するウズベキスタン国内の独立団体は世銀総裁に対し、今回の決定を批判する旨を伝えたコットン・キャンペーンはこれを支持すると述べた。本キャンペーンは、ウズベキスタンの綿花産業での強制労働撲滅のために活動する労働・人権問題活動家、投資家、経済団体のグローバルな連合体だ。

「世銀の決定は衝撃的だ」と、ウズベク・ドイツ人権フォーラム代表のウミダ・ニヤゾヴァ氏は述べた。「世銀は、ウズベキスタンの強制労働被害者数百万人に対し、その悲惨な境遇と同行の融資との関連を認識はしても、調査には及ばないと述べた。不穏なことに、世銀の決定はウズベキスタン政府に対し、強制労働制度の存続を認めるメッセージともなってしまった。」

2014年、ウズベキスタン政府は例年通り農家に綿花栽培を強制し、国民数百万人に収穫作業を義務づけた。政府は国内に強制労働問題は存在しないと主張し続けており、この人権問題を告発しようとする市民の動きを潰している。

世界銀行査閲パネルは、世界銀行の経営陣とウズベキスタン政府が問題解決に向けて十分に取り組んでいるとの判断を示した。その理由は、ウズベキスタン政府が融資契約で労働基準の尊重を約束していることだ。世銀は、事業地域で児童労働または強制労働を確認した場合にはすべての融資を中断すると公約している。

世銀は融資停止を回避するために、ウズベキスタン当局に強制労働の根本原因を解決するよう説得する動きを支援すべきだ、とコットン・キャンペーンは述べた。

世銀はまた被害申立メカニズムを設置するとともに、国際労働機関(ILO)と契約し、世銀として強制労働と児童労働に関するモニタリング事業を行うとも公約している。しかしウズベキスタン政府には強制労働制度の実態を明らかにする動きは一切ない。被害申立メカニズムもモニタリングもまだ動いていない。

「世界銀行は、農業部門への融資に関わる強制労働を防止するだけの措置をまだ行っていない」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチのジェシカ・エヴァンス国際金融機関担当上級アドボケートは述べた。「査閲パネルは、経営陣からの約束と引き換えに、ウズベキスタンの強制労働被害者から目を背けている。」

元政府職員が最近行った報告により、ウズベキスタン政府は綿花生産について、生産割当と買取価格の決定から、投入市場と全売上の独占管理に至るシステム全体を統制していることが明らかになった。収入は財務省の秘密資金に消えている。一方で現行制度は綿花農家を貧困に追いやり、農民や綿花畑で強制的に働かされている人びとの基本的権利を侵害している。

「世界銀行の決定は、ウズベキスタン政府が、ILO専門家委員会の報告にもかかわらず、強制労働を使用していることを依然認めないなかで行われている。驚くべきことだ」と、国際労働権フォーラム・法務アドバイザーのブライアン・キャンベルは述べた。「私たちは、いかなる金融機関もウズベキスタン農業の強制労働制度に投資を続けるべきではないと考えている。」